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愛してる、とそう聞こえた。
『…幻聴?』
「聞こえなかった?私は君を愛してると言ったのだよ…」
『…あ……はい……』
みるみる視界の彼の姿が滲んでく
目尻が熱くなって頬を何かが伝った。
「大体好きでもない相手を抱いたりしないよ?ましてやベロチューなんてA意外とはしたくない」
頬に伝う涙を拭う手が優しくて
「それなのに君という人は中也に何言われたのか知らないけど私以外の男の前で赤面するし、心底気に食わないねえ」
『…う……ふふ』
「何故笑っているのかな…私は怒っているのだけれど」
彼の餓鬼っぽい文句が可愛い
『ごめんなさい…私も……愛してます』
「……聞こえないなぁ」
あ、そっぽ向きやがりましたよこの人。
嫉妬深い所も全て好きです
『私も太宰さんを愛してます』
「……あぁそう」
私の目を自分の手で覆い軽くキスが落とされる。
『照れてるんですか?見せて下さいよ太宰さんの照れ顔』
「君この方が可愛いんじゃない?ずっと目隠ししといてあげようか?」
『あ、照れ隠しですね!後照れてるの否定はしないんですね…可愛ん!』
「うるさい口はこの口かな」
少しムスッとした顔が指と指の間から見える
それでもやっぱり頬は赤に染まっていて
『太宰さん……今夜、部屋に行ってもいいですか…?』
「ああ、今日こそマッサージだろう?わかってるよ」
『い、いえ…その…』
目元に置かれる太宰さんの手を自身の手と重ね私の目を見せないように強く抑える
『今夜は太宰さん……が、いいです…』
「…え」
いつもマッサージの方を要求する私がこう言うとは彼も思っていなかったのだろう。
「……A、手離してよ」
『嫌です』
「さっきとやってる事が違うじゃないか…今照れているのだろう?見たいなぁAの照れ顔」
『こ、この方が可愛いって言ったじゃないですか』
「どんな君も可愛いよ………今夜の君も可愛いんだろうなぁ…」
『…』
…貴方には叶いません
再度重なった互いの唇
「……今夜待ってるから」
___________________
次で完結です!
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わたあめ - ダチョウよりも、と言う所が少し吹き出してしまいました。ダチョウって確かに可愛いよな…(?) (2022年8月9日 15時) (レス) @page11 id: 3928701723 (このIDを非表示/違反報告)
ろけ - すっっごく面白かったです!照れてる太宰さん可愛い…。 (2021年7月25日 22時) (レス) id: b5e633d6ad (このIDを非表示/違反報告)
ほくさ - すっごい良かったです! (2020年2月27日 0時) (レス) id: 837f5e2707 (このIDを非表示/違反報告)
ももタ郎。(プロフ) - すごい良かったです(〃ω〃)完結お疲れ様でした。 (2017年1月13日 15時) (レス) id: 76d1df2f9a (このIDを非表示/違反報告)
MADOKA. - 紅葉さん、すごいです。中也の作品楽しみにしてますので、頑張ってください。 (2017年1月10日 18時) (レス) id: 6b8623b5be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅葉 | 作成日時:2017年1月1日 14時