太宰治が外套を脱いだら【文スト】

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『太宰さぁあん！！！あの包帯無駄遣い装置はどこいったんですか！？』


「やかましいわ！！」



国木田さんの椅子を掴みながら喚いていた私。



『あの人また仕事せずにバックれましたよ！？これは由々しき事態ですよね？国木田さん』

「はぁ…いつもの事だ…放っておけ」




な！何故…！？


いつもうるさい国木田さんが太宰さんを怒らない…




膝からガクンと崩れ落ちてく私の肩にポンと誰かの手が置かれた。





「お疲れ様です、Aさん」


そう言って私に駄菓子を差し出す敦君




『あああ敦くん！！！』


乱歩さんがちょっとそれ僕のー、とか言っていたが聞こえない振りをする。









「あれ？太宰さんじゃないですか、あれ」


瞬時に窓の近くにいた賢治君の元へ移動




するとまたあの路地の近くに太宰さんがいた。









「誰かと電話してますね…誰でしょうか？」




賢治君ががそう呟いたのと私が走り出したのはほぼ同時だったと思う。





「Aさん速…」

「やれやれ……騒がしい奴らだ」








『はぁ、はぁ、』



全力で、なるべく早く太宰さんの元へ



腰の痛みを物ともせずただ走った。








『…だ、太宰さ…』




息も絶え絶え、路地近くまで走りきった私は彼の名を呼ぶ。








「だからさー」



あ、電話してる…







隠れるつもりは無かったのだが

咄嗟に姿を隠し聞き耳を立ててしまう。











次の瞬間

彼が放った言葉に耳を疑った









「私はポートマフィアに戻るつもりは無いよ」

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