424、爆弾 ページ28
「……えっ？」
今、何て？
好き？
その言葉を発したことで、ようやく顔を上げるフロイ。真っ直ぐ目を見つめてくる。
「ずっと好きだった。君のことが、ずっと」
どうやら、聞き間違いではないようだ。
「………」
手を伸ばしかけたまま固まるA。開いた口が塞がらない。
フロイが、私を？
「言っておくけど、これは友達としてじゃないよ。異性として…というべきかな」
そして次の瞬間、フロイからもう一つ大きな爆弾を落とされることになる。
「君にも経験があるはずだよ。Aが…ミチナリ先輩だっけ？その人を好きだったように」
「！！？」
「あ、いけない。これは内緒だった…」
フロイは口を手で抑えたが、もう遅い。
Aは二つの意味で心臓が忙しなくなった。
「まあ、そういうことだよ。それと同じ「好き」」
そういうことって……どういうことだ。
………私がかつてキャプテンに恋愛感情を抱いていたように、フロイもずっと私のことを？
そもそも何でキャプテンを知ってんの？
…は、待って。理解が追いつかない。
Aが埴輪のような表情で固まっていると、「ふふっ」と小さく笑う声が聞こえた。
「なんてね。あはは」
急に今までの真剣な表情を崩して笑い出すフロイ。
「は！？」
ますます混乱してきた。
なんてねって…え、冗談なの？
「じゃあA、僕からは以上だよ。今日は付き合ってくれてありがとう」
Aよりも先に立ち上がるフロイ。話を逸らすためか、Aを早く帰らせようとしている。だがまだ逃すわけにはいかない。
「いやちょっと待って！？何、どういうこと！？今の話誰から…」
「ほら、買い物帰りみたいだし、早く帰らないといけないんでしょ？話はまた今度」
「ぐ…」
確かにもうじき暗くなる。
聞きたいことは山程あるが、また怒られてしまう前に帰ることにした。
宿舎へと走るA。その姿が見えなくなると、フロイは大きくため息をついた。
「……僕は何をやっているんだ」
今までこの想いは抑えて来たはずなのに、どうしてあんなことを。
少しでも自分のことを友達以上として意識して欲しい。きっとそんな淡い期待を抱いてしまったんだ。
けど、今は大会中。そんな感情を持ち出してAの足を引っ張るようなことがあったらいけない。
それに、自分としても今の関係を壊すのは、まだ怖かったみたいだ。
勇気を出せるまで…せめて大会が終わるまでは、この気持ちは誤魔化させて欲しい。
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紅葉 - あああさん» コメントありがとうございます！更新及び返信が遅くなり大変申し訳ございません。亀更新になるとは思いますがこれからも頑張ります！ (2020年3月3日 3時) (
レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
あああ - 何度も読み返ししてます！！紅葉さんの作る話が面白くてすごく続きが気になります！このシリーズが好きで毎日チェックしてます笑ヒロトが特に好きなので出てくる度にうぉぉおってなります更新いつまでも待ってます！！無理せず更新頑張ってください！応援してます (2020年2月11日 20時) (レス) id: de8812076d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年12月4日 0時
