385、アース・イナーム ページ39
胸騒ぎは的中することとなった。
立ち塞がる氷浦の足元にボールを転がすアース。どういうつもりかと思えば、ある必殺技で氷浦からボールを奪った。
その必殺技は明日人の「イナビカリ・ダッシュ」だった。
一同は驚きを隠せなかった。
「うそ……明日人なの？」
のりかが呟く。
そんな中、誰よりも現状を受け止めきれない者がいた。
Aは体を強張らせながら「どうなってるの」と心の中で繰り返していた。
またも明日人の必殺技である「シャイニングバード」でシュートをするアース。ボールはのりかの横を通り、ゴールに突き刺さった。
その瞬間、アースはビシッと指鉄砲のポーズをする。あのポーズも明日人がよくするものだ。
ロシアに一点リードされたまま、前半が終了した。
ハーフタイムに差し掛かるとすぐ灰崎はアースに掴みかかった。
「明日人！こいつは何の冗談だ！？」
「ちょ…灰崎君…！」
今にもアースに殴りかかってしまいそうな灰崎にヒヤヒヤするA。
そこへ灰崎だけでなく剛陣も声を荒げる。
「お前が居なくなってどんだけ心配したと思ってんだよ！」
「二人共落ち着いてください」
趙金雲が宥めようとするが、そう簡単に冷静になれないようだ。
「あいつは俺たちを裏切りやがったんだぞ！」
「目を覚まさせてやんねえと気がすまねえ！」
「ですが彼が稲森くんであるという証拠はありません。ここであなたたちが問題を起こしたら、この試合、失格となってしまいますよ」
痛いところを突かれ、悔しそうにしながらも動きを止める灰崎。するとアースについて調べていた析谷が口を開いた。
「アース選手に関する情報は、一切不明となっている。唯一わかったのは、日本戦の直前にロシア代表に選出されたっていうことだけだ」
「点と点は繋がったよ」
そこで、顎に手を当てながら氷浦がある結論にたどり着く。
「経歴不明のアースがロシア代表に選ばれたのと、明日人が行方不明になったのと、タイミングはぴったり重なっている」
つまり、アース・イナームと明日人は同一人物で間違いないということになる。
(そんなはずは…)
こんな状況まで来てもうそんなはずないなど言えない。
「……ヒーローって正義の味方のはずだよね」
と、近くにいた灰崎に何気なく尋ねてみたら「何言ってんだお前」と一蹴されて終わった。
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飛鳥 - いちいちパスワード認証がでるのですか？なぜですか？ (2020年3月25日 22時) (
レス) id: 5955d179f7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 沙希子さん» あたたかいコメントありがとうございます！最近更新が遅れ気味で大変申し訳ございません。最終回に向けてこれからも更新を頑張っていくつもりですので楽しんでいただけると幸いです。 (2019年11月17日 10時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
沙希子(プロフ) - 更新焦らず頑張ってください!続き凄く気になります。 (2019年11月17日 6時) (レス) id: 03fe093666 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - そそそさん» コメントありがとうございます！1番ですか！？とても嬉しいです！ありがとうございます！！更新が大幅に遅れてしまい大変申し訳ございません。これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年10月23日 18時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
そそそ(プロフ) - 今まで見たイナアレ小説の中で1番おもしろいです。更新楽しみにしています！ (2019年10月23日 10時) (レス) id: 924231b153 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年9月29日 21時
