366、相談 ページ20
ショックで動けなくなったままどのくらい経っただろうか。
「…友達だなんて思ってない…か…」
その言葉に頭の中を支配されてしまった。
言葉自体ショックなものなのに、それを言った人物が氷浦となるとダメージも倍な気がした。
いつも優しくしてくれるだけに、氷浦からああ思われていたとは知らなかった。
私だけ？仲良くなれたと思ってたのは。私、そんなに嫌われてたの？
なんて考えれば考えるほどダメージが大きくなっていく。
ともあれこれでアツヤに続き氷浦にまで愛想をつかされてしまった。Aが恐れていたことに。
と。
「いつまで落ち込んでんだ？」
どこからか楽しそうな声が聞こえてきた。
だが両隣や後ろを向いても誰もいない。
まさかと思い見上げてみれば、木の枝に不動が寝転がっていた。
「い、いたんですか！？」
不動は寝かせていた体を起こすと、軽々と地面に着地を決める。
「アツヤの件といい本当大変だな。お前」
Aのアツヤや氷浦とのやりとりを見ていたらしいが、憐れんでいるわけでもなくニヤニヤしている。
「こんなドロドロした空間に放り込まれたくて代表になったわけじゃないだろうに」
…いやドロドロって。確かに私の周りはギスギスしてきてるけど。
でもこの人は何だかんだチームのことをよく見ている。
ならば、そんな第三者の意見を聞いてみたい。そう思った。
「……私はどうしたら良かったんでしょうか」
「？」
「…私がもっと人の気持ちを察せられたら、こんな事態を避けられたんですかね」
これは自分の悪いところを直したいが為の質問だ。
が、不動は鼻で笑う。
「おいおい。この俺に相談かよ。俺はそういう柄じゃないって知ってるだろ」
そうかもしれないが、誰彼構わず助けを求めたいくらい追い込まれているのだ。
「どうしたらいいかぐらい自分で考えな。楽しみにしてるからよ。お前がどうなるのか」
…やっぱり楽しんでいたのか。この状況を。
「…ただ、決断は早めにしろよ。俺だっていつまでもここにいられるわけじゃねーからな」
不動の声から先程までの威勢がなくなった気がした。
「…え…それって…？」
意味を詳しく教えてもらおうとする前に、不動は背を向けて歩き出してしまう。
「ま、せいぜい頑張んな」
そうAに一言かけ、その場を後にした。
…不動さんの言う通りだった。これは自分でまいた種なんだから自分で答えを出さないと。
不動の背中を見送りながら、Aはそう意気込んだ。
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飛鳥 - いちいちパスワード認証がでるのですか？なぜですか？ (2020年3月25日 22時) (
レス) id: 5955d179f7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 沙希子さん» あたたかいコメントありがとうございます！最近更新が遅れ気味で大変申し訳ございません。最終回に向けてこれからも更新を頑張っていくつもりですので楽しんでいただけると幸いです。 (2019年11月17日 10時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
沙希子(プロフ) - 更新焦らず頑張ってください!続き凄く気になります。 (2019年11月17日 6時) (レス) id: 03fe093666 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - そそそさん» コメントありがとうございます！1番ですか！？とても嬉しいです！ありがとうございます！！更新が大幅に遅れてしまい大変申し訳ございません。これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年10月23日 18時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
そそそ(プロフ) - 今まで見たイナアレ小説の中で1番おもしろいです。更新楽しみにしています！ (2019年10月23日 10時) (レス) id: 924231b153 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年9月29日 21時
