301、アツヤ ページ5
今のアツヤを見て、Aは思わず本音がこぼれた。
「吹雪君…変わったよね」
「何が」
「大人になったというか…FFの時に比べたら丸くなったみたい」
あの時は嫌みったらしかったのになぁ…と白恋戦の時のことを思い出してみると、今の彼との違いは歴然だ。
「…俺はお前の方が変わったように思うけどな」
アツヤはAをじっと見つめてそう言った。
「え!」
「今日一日で自信ついたように見える」
「そ…そう?」
そういえばクラリオさんからも似たようなこと言われたっけ。
照れて頰をかくAに、アツヤはふっと笑った。
「…っていうか、「吹雪君」ってなんだよ。俺と兄貴で紛らわしいだろ」
「え、そう?」
「さん」付けか「君」付けかで区別はしてるし、紛らわしくはないと思うけど…。
私はFFの時から他の学校の人は全員苗字で呼んでた。でもだからといって名前呼びと苗字呼びで差別してるわけではもちろんないし。
「アツヤでいい」
「え」
「名前で呼べって言ってんだ」
「えっ…と…急になんで?」
アツヤの意図が分からず戸惑うA。
何か企んでるんじゃないでしょうね。
「慣れねえんだよな、お前の呼び方」
確かに吹雪君は今まで名前で呼ばれることの方が多かっただろうけど…
「…い、いいの?」
としか聞けなかった。
てっきり嫌われてると思ってたから私にそう呼ばれるの嫌かと…。
「俺が良いって言ってんだから良いんだよ。ほら、呼んでみろ」
「じ、じゃあ…」
強引に流されて、謎の緊張感がありながらもその名前を声に出す。
「…アツヤ」
「…ん」
慣れない呼び方をして少し照れくさかったが、アツヤは満足そうに笑っていた。
吹雪さんの言う通り、嫌われていたわけではなかったのかな。そう考えてAは安心した。
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紅葉(プロフ) - 夜空さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただいてとても嬉しいです!これからも更新頑張ります! (2019年9月29日 11時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - とても面白くて新しい更新を楽しみにしてます!タツヤの恋も応援したい!ヒロトの恋も応援したい!どうなるの〜汗 (2019年9月29日 2時) (レス) id: d246f2b775 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ドルチェさん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです!これからも更新頑張ります!! (2019年9月23日 12時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - 紅葉さん,いつも楽しみにしてます!これからも拝読させて頂きます!頑張ってください! (2019年9月23日 12時) (レス) id: 697128a6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます!アツヤの登場でさまざまな人間関係が大きく変わっていく、ということをテーマに書いていく予定ですので、楽しんでいただけると幸いです。これからも頑張ります! (2019年9月14日 8時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅葉 | 作成日時:2019年9月8日 22時