308、仇を取る ページ12
グラウンドに全員を集め、アメリカチームに起きたことを全て話した。
「アメリカ代表とは、正々堂々戦えるクリーンな試合ができると思っていたのに…」
残念そうにタツヤが呟く。
オールオリオンのチームと試合することに、不安を隠せない者も多い。
「一之瀬たちの仇を取るためにも、ネイビー・インベーダーを打ち破らないとな」
風丸が円堂の背中を軽く叩いて言った。
「相手が誰だって関係ねーだろ。ゴッドストライカーであるこの俺がゴールをぶち破ってやるからよ」
ヒロトが自分に親指を向けながら言う。
「何だよ。スペイン戦で出番がなかった割には余裕があるじゃねーか」と灰崎。
「お前ら凡人が世界と渡り合えたってことは、俺は既に世界トップレベルってことだからな」
「どういう理屈だよ…」灰崎がつっこむ。
ヒロトたちが前向きに物事を考えている中、Aは一之瀬たちのことを思うと、悲しみが湧いてくる。
どうして一之瀬さん達があんな目に遭わないといけないんだろう…と。
(オリオン財団があそこまでするなんて….)
一之瀬たちの笑顔を思い出しては、胸が痛んだ。
「おい、しっかりしろ」
アツヤがそんなAを見て声をかけた。
「う、うん」
一番辛いのは一之瀬さんや円堂さん達だってことは分かってるけど…。
「いつまでも落ち込んでんな。アメリカの奴らもそんなの望んじゃいねーよ」
「…！」
「アメリカチームの為にも、今は俺たちが悩んでる暇は無いだろ」
一之瀬さん達の為にも、そう聞いてハッとした。
私達にとっても一之瀬さん達にとっても今一番良いのは、私たちが思い切り戦って勝つことかもしれない。
「うん…そうだね。ありがとう、アツヤ」
頼もしさを感じるアツヤを見て、モヤモヤが少し消えた。
私がアツヤの面倒見なきゃいけないはずが、いつも立場が逆になっちゃってるや。
「……別に」
素直にお礼を言われて照れたのか顔を背けるアツヤ。
表情は見えないが、アツヤの耳はうっすら赤くなっていた。お礼を言われたのが照れくさいらしい。
そこへ二人のやりとりを見ていたヒロトが割り込んできた。
「おい、何でそいつのことは名前呼びなんだよ」
ヒロトからそう聞かれた途端、アツヤからぐっと肩を引き寄せられたA。
「…何でって、「仲良し」だからに決まってるだろ？なあA」
Aの肩を組み、勝ち誇ったような笑みのアツヤに、ヒロトはカチンとした。
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紅葉(プロフ) - 夜空さん» コメントありがとうございます！楽しみにしていただいてとても嬉しいです！これからも更新頑張ります！ (2019年9月29日 11時) (
レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - とても面白くて新しい更新を楽しみにしてます！タツヤの恋も応援したい！ヒロトの恋も応援したい！どうなるの〜汗 (2019年9月29日 2時) (レス) id: d246f2b775 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ドルチェさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです！これからも更新頑張ります！！ (2019年9月23日 12時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - 紅葉さん,いつも楽しみにしてます！これからも拝読させて頂きます！頑張ってください！ (2019年9月23日 12時) (レス) id: 697128a6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます！アツヤの登場でさまざまな人間関係が大きく変わっていく、ということをテーマに書いていく予定ですので、楽しんでいただけると幸いです。これからも頑張ります！ (2019年9月14日 8時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年9月8日 22時
