290、日本の切り札 ページ43
試合が再開し、明日人、灰崎、野坂の3人が「ラストリゾート」を繰り出す。
かつて、豪炎寺のその技に魅了されたと言っていたクラリオは「ほう…」と感心の声を漏らした。
クラリオ「豪炎寺の技を受け継いだというわけか。面白い。しかし！」
クラリオ、ルフィノ、ドメルゴの3人の連携ディフェンス技「ザ・シェルター」で防がれた。
貴女「ええっ！？ディフェンス技まで持ってたの！？」
万能過ぎやしないかと驚くA。
氷浦「ラストリゾートが止められるなんて！」
剛陣「ここに来て敵の新技か！まだ隠してやがったのか！」
イナズマジャパンはクラリオたちの引き出しの多さに驚愕した。
野坂「プロトタイプ、と言うしかないラストリゾートでは、威力が充分じゃなかった…」
あのラストリゾートも、威力は確かにあった。けど豪炎寺と比べるとどこか足りなかった。
円堂「おーい！」
見かねた円堂が再度、明日人と野坂を呼びつけた。
円堂「野坂。こうなったら、日本の切り札を使うぞ」
人の話を最後まで聞かなかった野坂たちを咎めるが如く、腕を組んでいる円堂。
野坂「え？まさか円堂さんが言っていた切り札というのは、ラストリゾートのことではなかったんですか？」
円堂「ああ、違う。さっきはお前達がさっさと行っちゃったからさ、最後まで話ができなかったぞ」
野坂「…すみません」
弱々しく謝る野坂君。珍しい光景だ…。
円堂「日本にはまだ切り札がある」
明日人「それは一体何ですか？」
そう問いかける明日人の顔を見て、円堂がにっと笑って答えた。
円堂「明日人！お前だよ」
「「…え？」」
それはAにとっても予想外の言葉で、円堂に顔を向けた。
「ええ！？俺！？」明日人は自分を指さす。
明日人「それが切り札！？そんなことを、本当にやるんですか？」
円堂から作戦を伝えられ、明日人は困惑している。
野坂「円堂さん、いくらなんでもそれは無謀じゃないでしょうか」
円堂「いや、いけるはずだ！俺を信じろ！」
まだ不安げな明日人にAが歩み寄った。
貴女「…明日人。やってみようよ」
明日人なら出来る。やるよりやらない方がもっと後悔するよ。Aはそう言って明日人の背中を叩いた。
明日人たちのおかげで殻を破ることができたAだからこそ、今となってはそう言うことができた。
明日人「…分かりました。やってみます！」
明日人も覚悟を決めたようだ。
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年8月23日 13時
