259、析谷共有 ページ12
イナズマジャパンの宿舎であるカザニ・サッカーセンターに着くなりミーティングルームに集められた。
趙金雲「明日からはいよいよスペイン戦に向けての特訓を開始します。一段と気を引き締めて…あ、そこですそこー」
言っていることは真面目だが、マッサージチェアに座って一人だけリラックスしていた。
剛陣「全然説得力ねーぞ!」
呑気な趙金雲を見つめながらも、いよいよこの時が来たと、Aは気持ちを高ぶらせていた。
趙金雲「で、皆さんの力となってくれる頼もしい助っ人が二人合流してくれます」
子文「親分、まだ一人連絡取れてません!」
明日人「助っ人?」
万作「二人?」
趙金雲「まあそのうちの一人を紹介します」
そう言われて出てきたのは、一人の青年だった。
析谷「みんな、始めまして。僕は析谷共有。イナズマジャパンのフィジカルトレーナーになりました。精一杯頑張るからよろしくね」
見るからに好青年なその男性に、岩戸も「爽やかゴス!」とうっとりしている。
岩戸「Aもそう思うでゴス?」
貴女「…え?」
岩戸が頰に手を当てながらすぐ隣にいたAに話を振った。
突然のことに驚いたが、Aもその男性への第一印象はとても良かった。
貴女「…うん。優しそうだよね」
そう答えると、近くにいたヒロトから舌打ちが飛んできた。
貴女(は?今の何に対しての舌打ち?)
仲直りしようと決心したものの、機嫌の悪いヒロトを前にするとその決意も砕けそうになる。
決して良好とは言えないAとヒロトのムードが視界に入ると、析谷は顎に手を当てた。
万作「フィジカルトレーナー?」
一方で万作はフィジカルトレーナーについての何たるかについて聞いていた。
趙金雲「体の構造を踏まえた特訓メニューを組み立て、皆さんをサポートしてくれるんですよ」
リハビリ中の豪炎寺の足も、きちんとケアしてくれるという。
豪炎寺は小さく頷くが、A達は豪炎寺の足の具合が良くなっていないという事実に驚きを隠せなかった。
析谷「大丈夫。できることをしっかりやっていくから」
趙金雲「そしてこれまで特訓といえば私がやってきましたが、これからは析谷くんにやってもらいます」
豪炎寺「よろしくお願いします」
析谷「ってことでみんな、覚悟してね。監督の特訓みたいに甘くないから」
笑顔のまま一同を見渡す析谷にAはごくりと喉を鳴らした。
Aが析谷と目が合うと、向こうは優しく笑いかけてくれた。
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作者名:紅葉 | 作成日時:2019年8月23日 13時