天使(仮)の人生は平穏無事とはいかない。6【オリオンの刻印】 (ページ1)

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248、君が相手でもページ1

フロイの気持ちを直に聞いた一星はしばらく固まっていた。

フロイ「だから最初Aの顔を見た時は夢じゃないかと思ったよ。つい憎まれ口叩いちゃったりもしたけど…」

遠くを見つめるフロイ。その先に思い描いているのは、Aのことだろう。

フロイ「君はどうなの？Aのこと、どう思ってる？」

一星「…お…俺は…」

一星はまっすぐ見つめてくるフロイに怯むことなく、本音を伝える決心をした。

一星「……好きだよ」

もちろん、仲間としてもそうだし、異性としてもそう。

フロイ「…そっか」

フロイは、嫌な顔一つすることなく笑った。

フロイ「好きな人被っちゃったね」

呑気に笑うフロイに、一星は拍子抜けした。

一星「…フロイ…嫌じゃないのか？」

フロイ「嫌じゃないよ。たまたま好きになった人が同じだっただけさ。お互い頑張ろう」

一星「……」

緊張感のないフロイに調子が狂いそうになる一星。

フロイ「…だからって譲ったりはしないよ。たとえ光、君が相手でもね」

一星「…！？」

いきなり目つきが変わったフロイに、一星は思わずビクリと肩を上げた。

フロイ「…光、僕はね。

たとえ今、Aに僕以外の好きな人がいるとしても別に構わないと思ってる。

僕はそれだけで諦める気はないから」

最後に彼女の隣にいるのは、僕だ。

そう呟くフロイの瞳はギラギラと光っていた。