天使(仮)の人生は平穏無事とはいかない。11【オリオンの刻印】 (ページ40)

今日:7 hit、昨日:10 hit、合計:30,141 hit

534、美しい景色ページ40

フィールド全体に光が差し、澄み切った青空が広がる。

なんて美しい景色なんだろう。

「危機は乗り切ったようだな」

「違う国の選手たちが力を合わせてみんなを守った！これって、すごくねーか？」

風丸が円堂が満足そうに笑い合う。

「サッカーは人の心を一つにできる」

「一人では越えられない壁を乗り越える、大きな力を生む」

鬼道に豪炎寺も。

「これがサッカー、なんですね！」

明日人も、大きい瞳を輝かせている。

サッカーの力がみんなを救った。
本当にすごいことだ。

「…明日人、A」

Aたちの元へ誰かが歩み寄ってきた。
ユリカだ。
試合中のような血走った目は、もうしていない。

「今日は負けたけど…私たちも勝てる時を目指して進むよ。そしたら、また君たちに挑戦してもいいかな…」

先程よりも控えめなユリカ。
きっとこれが、本当の彼女なんだろう。

「ああ。俺らだってそう簡単には負けないぞ！な、A！」

「うん！」

これは、みんなの気持ちが一つになった瞬間。

ああ、やっぱいいな。サッカーって。
こんなに素敵な人たちと引き合わせてくれた。

うん。ようやく決まった。
私がこれからどうするのか。

Aは、「あの件」について返事をすべく、スコーリオをスタジアム中捜し回り始めた。