470、死ぬほど考えよう ページ24
通話を終え、スマホを鞄の中にしまう。
「はあ…」
母のおかげで知りたいことはほとんど知れた。
でも、自分がこれからどうしたらいいのか、ますます分からなくなってきた。
それは、やっぱり私がまだ子供だから？
「西村」
部屋に戻る際、水神矢と会った。
というか、水神矢の方が待っていたようだ。
「試合の時のこと、謝りたくて。すまなかったな。不安にさせてしまっただろう？」
わざわざ謝りに来たのか。律儀な人だなぁ。
「ううん。びっくりはしたけど、結果オーライだったし」
Aは首を横に振る。
その様子を、水神矢はじっと見据えていた。
「…何かあったんだな」
ブラジルチームの精神面を見抜いた水神矢は、Aのこともすぐに分かったらしい。
「…！！」
Aの脳裏をよぎったのは、弱りきったベルナルドの姿だった。
思い出すだけで倒れそうになる。
動悸がする、冷や汗が浮かぶ、呼吸が荒くなっていくのが分かる。
まさかイリーナさんが、息子にまで手を上げているなんて。
胸が痛い。
ああ、もう我慢ならない。
「…ごめん、水神矢くん」
「うん？」
「今から私がすることは、軽く流して欲しいんだけど…」
「…分かった」
許可をもらうと、その場にしゃがみ込み、声を押し殺 し、涙を流し始めた。
我慢していた分、それはとめどなく溢れてくる。人前だというのに。
不安でたまらない。
今頃どうしてるだろう。
苦しんでるかもしれない。
息が苦しい。
けどあの人の方がもっと辛いに決まってる。
何もできないことが、こんなに辛いなんて。
すると。
ポンと、頭にあたたかい感触がした。
「よしよし。辛かったんだな」
顔を上げれば、水神矢が目線の高さを合わせ、ポンポンと頭を撫でてくれていた。
「それでいい。泣きたい時は泣いていいから」
(………あ)
やっぱりすごいなこの人は。包容力がある。さすが星章のキャプテン。お母さん(？)。
「俺には何があったか知らないから、このくらいしか出来ないが…約束したからな。いつでも話を聞くって」
「……ありがとう」
今は甘えよう。
うんと泣いたら、死ぬほど考えよう。
自分が一番どうしたいのか。
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アルティメットカオス - はい。数話見たあとすぐにパスワード認証って出てきますね。 (2020年4月3日 8時) (
レス) id: 5955d179f7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - アルティメットカオスさん» 大変申し訳ございません。パスワードは解除しているはずなのですが…まだ出てきますか？ (2020年4月3日 6時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
アルティメットカオス - この作品のシリーズ8がよくパスワード認証って出てくるのですが……なぜですか？ (2020年3月31日 20時) (レス) id: 5955d179f7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！この作品は夢主の成長も題材としているので、そうおっしゃっていただき、とても嬉しいです！完結に向けて頑張りますので、楽しんでいただけると幸いです。 (2020年3月29日 12時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - いよいよ10ですね!キャラクターとの会話は勿論、夢主さんがキャラと共に成長していく姿が見ていてとてもワクワクします!紅葉さんの作品が大好きです、これからも応援しています! (2020年3月28日 19時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2020年3月21日 1時
