457、信じたい ページ11
「やるしかないんだよ！」
どこか迷いを振り切るように、ダニーニョが灰崎の首に指を伸ばす。
しかし。
「やめろ！」
「！？」
ミゲルが咄嗟に割り込んだおかげで、灰崎は無事だった。
それと同時に前半が終了した。
(…今、灰崎君を守った？)
それはつまり、ブラジルにもオリオンのやり方に反対している人がいるということだ。
ならば尚更、こんなことやめさせたい。
「てめえ！何を血迷ってやがる！」
「俺は、こんなサッカー嫌だ！」
ベンチに引き上げた途端、先程の件でブラジル内で口論が始まってしまう。
「……っ」
見ていられなくなったAは、踵を返した。
「おい！どこ行くつもりだ」
Aの様子が変だと気づいたヒロトが腕を掴む。
「言わなきゃ、こんなやり方やめるよう、お願いしてくる」
はあ？と顔を歪ませながらAの目線を追うヒロト。目に入ったのはVIPルームに張られた窓ガラス。
「馬鹿か！んなこと言ったって聞いてもらえるわけねーだろ！」
「話してみないと分からない！じっとしていたところで両チームともモヤモヤしたままなんだから！」
「お前、相手がどんなやつか分かって言ってんのか！？」
「分かってる！けど信じたい！」
「何で！？」
「だって、あの人は私の…！」
「私の？」
「……いや、その」
全員の目線がAに向けられる。
(私の、何？)
今の私が、あの人と話す資格なんてあるの？
自分が何を言おうとしていたのかわからなくなり、Aは黙り込むしかなかった。
その様子を、アルトゥールはじっと見つめており、ある場所へ足を運び出した。
「ベルナルドさん、俺たちのやり方で正々堂々と戦わせてもらえませんか」
VIPルームに、アルトゥールの声が響く。
「絶対に勝ちます！だから…」
「お前たちの仕事は、確実に日本に勝つことだ。手段などどうでもいい」
一蹴だった。
だがアルトゥールは心が折れそうになりながらも、まだ持ち場に戻ろうとはしなかった。
「…あの、Aのことで」
淡い期待を寄せただけだった。Aの存在が、何かを変えてくれるのではないかと。
が。
「………A、だと？」
アルトゥールからその名が出た途端、ベルナルドの目つきが変わった。
これ以上Aのことを触れてはいけない。
そう感じ取り、今度こそチームメイトの元へ戻った。
「続行だ。どんな手を使ってでも勝つ」
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アルティメットカオス - はい。数話見たあとすぐにパスワード認証って出てきますね。 (2020年4月3日 8時) (
レス) id: 5955d179f7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - アルティメットカオスさん» 大変申し訳ございません。パスワードは解除しているはずなのですが…まだ出てきますか？ (2020年4月3日 6時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
アルティメットカオス - この作品のシリーズ8がよくパスワード認証って出てくるのですが……なぜですか？ (2020年3月31日 20時) (レス) id: 5955d179f7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 黒音_幻月さん» コメントありがとうございます！この作品は夢主の成長も題材としているので、そうおっしゃっていただき、とても嬉しいです！完結に向けて頑張りますので、楽しんでいただけると幸いです。 (2020年3月29日 12時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
黒音_幻月(プロフ) - いよいよ10ですね!キャラクターとの会話は勿論、夢主さんがキャラと共に成長していく姿が見ていてとてもワクワクします!紅葉さんの作品が大好きです、これからも応援しています! (2020年3月28日 19時) (レス) id: 71e1357481 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2020年3月21日 1時
