ココロのトビラ Ⅳ (ページ47)

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涼「それから慧。慧の大ちゃんに会う資格がないって思う気持ちすごく分かる。俺だって、大ちゃんからストーカーのことを聞いておきながら何も行動できなかったから。

それでも、今の心が不安定な大ちゃんに必要なのはきっと〝家族の愛情〟だよ。

大ちゃんは今回の件でいのちゃんのこと嫌いになってないし、恨んでもない。

むしろ、いのちゃんに会いたいって思ってるはずだよ。
だからさ、そうやっていつまでもうじうじしないで会いなよ。」

慧「…涼介」

涼「宏兄も雄也も侑李も裕翔も圭人もだよ。

みんな大ちゃんのことが心配で助けたいって思ってる。
でも、みんな一人でその方法を考えたり、解決しようとしたりする。

だから抱え込んじゃっていつの間にか家族がバラバラになっちゃうんだよ。
自分よりも家族のことを優先しようとして、でも不器用だから上手くできないんだよ。

みんなバカだよ、大バカ者だよ、、、」

そう言ってみんなの方を見ると、みんなが表情を和らげていた。

侑「…ふふっ、なんかずっと悩んでたのに今の涼介の言葉聞いたらすっきりしちゃった。
つっかえてたものがすーって消えてく感じ？」

宏「最初から、誰かに相談すればよかったな。
9人もいるんだから。」

雄「ほんとそうだよな。俺ら目の前のことに夢中で肝心なもの見落としてた。」

裕「でもなんか、そんなところが俺ららしいというか、、、(笑)」

圭「この1ヶ月、家族が…どんどん…バラバラになっちゃいそうで…怖かっ、た、、」

今まで溜め込んでた想いが溢れ出したのか、泣き出した圭人をみんなで慰める。

やっぱり薮家はこうでなくちゃね。

どんよりした空気、俺たちには似合わない。

そんなの俺たちらしくないよ。

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