ココロのトビラ Ⅳ (ページ37)

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ソンナコトナイヨページ37

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涼介 side

文化祭から1ヶ月経った。

イベント独特の賑やかな喧騒は消えて学校はいつもの日常に戻った。

朝起きて、光くんが作ってくれた朝ごはんを食べて、学校に行って、授業を受けて…

俺の日常は何も変わらない。

変わったことと言えば、その俺の日常に『大ちゃん』がいないことと、俺のルーティンに放課後に大ちゃんに会いに病院に行くことが追加されたこと。

朝、隣の部屋から大音量の目覚まし時計のアラームも寝坊して慌てて階段をかけ下りる音も聞こえない。

隣に大ちゃんがいないだけで学校に行く道のりが長く感じる。

俺の日常は思ってたよりも『大ちゃん』で溢れていた。

たぶん、それは俺だけじゃなくて他の兄弟も感じていることだろうけど。

相変わらず教室の後ろから2番目の大ちゃんの席は空席のまま。

文化祭が終わって1週間くらいは校内が大ちゃんとそのストーカーの話で持ち切りだったけど、1ヶ月経った今、皆が大ちゃんの存在を忘れかけてる。

まるで最初から大ちゃんがいないことが当たり前かのように…。

所詮、人と人との繋がりなんてそんなもん。

そんなことを考えながら俺は今日も学校が終わり次第、電車に揺られて通い慣れた病院に急ぐ。

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