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嘘79 ページ29

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「……ジミン君」


「っ、はい」


「どうして私がここに来たか分かる?」


「……え?」









さっきと同じように俺の頬に手を置いて、目線を合わせる。まっすぐで綺麗なその瞳が俺を写した。









「何も言わずにいなくなった貴方に怒らないほど私もバカじゃない。もちろん、最初は会いたくなかったよ。知らなかったとはいえ、あれのせいで貴方が怖くなったのも事実。でもね……」


「……でも?」


「日が経つにつれて貴方に会いたくなったの。会いたくて会いたくて、でも会えなくて。どうしようもないくらい苦しかった。
不思議だよね。あんなに嫌だったのに。朝起きて、ジミン君がいないことに気付いたら寂しくて、胸にぽっかり穴が空いたみたいだったの」


「Aさん……んっ」









唇に暖かくて柔らかい感触。反射的に目を閉じて、開けると同時にそれは離れていった。
ほんの一瞬、まるで刹那の時のような中でそれは俺の心を溶かすように暖かかった。離れた後の唇が名残惜しくて、少し寂しい。

視線を移せば目の前で綺麗に微笑むAさんの姿があった。









「ジミン君は最低なんかじゃない。貴方の嘘は私の為に必死でついてくれた、綺麗な嘘。誰かの為に涙を流す美しい嘘だよ」








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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , ジミン
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(プロフ) - Bigloveさん» わぁ!ありがとうございます!(*^^*) 完結して日が経ったにも関わらず読んていただいて本当に嬉しいです… かなり大人な設定ですし、好みが別れるかなぁと思っていたので大好きだと言ってもらえて感動です… コメント、本当に励みになります。ありがとうこざいました! (2020年2月4日 22時) (レス) id: 4874e19f9b (このIDを非表示/違反報告)
Biglove - 一気読みしました!いやー、やっぱり閔ちゃんのお話、私大好きです!お話の構成がちゃんと成り立ってて分かりやすくて。ジミンちゃん目線で貫いてましたけど、物凄い良かったです! (2020年2月4日 21時) (レス) id: c56102b41d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 緋夏さん» 緋夏ちゃん!今回はちょい悪ジミンちゃんを書きたくて...ユンギさんはどうしてもかっこよくなっちゃうんですよね...笑 そして嘘もテーマなので裏の裏まで考えながら書いていて悩む部分も...本当にいつも応援ありがとうございます!これからも頑張ります! (2019年8月30日 23時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
緋夏(プロフ) - 閔ちゃん!完結して時間経ってしまいましたが、完結おめでとうございます(´∇`)相変わらず素敵な文で最後まで綺麗なお話でした!ジミンちゃん、年下設定いいですね!癒されます。そしてユンギさんは安定のイケメン具合でした。本当に素敵!お疲れ様でした!! (2019年8月30日 23時) (レス) id: 1a4eb51f6c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Agust dさん» ありがとうございます!ですよねえ...夢主ちゃん起きろ!って感じです...洗練されたジミンちゃんがこれからどうなるのか、ぜひぜひお楽しみに!暖かいコメントありがとうございます!これからも頑張ります! (2019年8月12日 14時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月6日 22時

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