三十一 ページ11
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「僕は別に、人間が嫌いなわけじゃない」
「そうだね。
嫌いだったら、わざわざカフェを開いてまで
人間と関わることなんてしないと思うよ」
「……やっぱり変わってるね」
「マイペースだとはよく言われるよ」
ジミンさんは少し笑った。
それからゆっくりと、息を吐いた。
「僕の正体は、妖狐。
正確に言うと
「なるほど。
九尾の狐ならば、人間に化けることくらい朝飯前だ」
「……最初は満たされていた。
まだ若くて、どことも分からない土地を一人歩きして。
時々人間に化けて、悪さを楽しんだこともあった。
けれど、それも次第につまらなくなった」
彼の話によれば、彼は五百年と少しを生きており
二百年を過ぎた頃から退屈と怠惰の日々を過ごしてきたそうだ。
「暇で暇で、退屈すぎて。
だけど人間はいつも楽しそうに生きている。
僕はこんなにも永い時を生きて、退屈で仕方ないのに。
人間は脆くて、すぐに傷ついて、短い時しか生きられないのに。
どうして人間は、あんなにも楽しそうに笑うんだろう」
それは孤独からの喪失感。
永い時をたった一人で生きてきた辛さ。
それゆえに求めてしまった、人間への羨望。
「だから、試したくなった。
人間の儚さと強さ。妖の脆さと弱さ。
それを知れば、何か変わると思ったんだ」
「……そのために誘い薬を？」
ジミンさんはゆっくりと頷いた。
妖狐は妖の中でも妖力が非常に高い。
孤独に苛まれた彼は、
行き場のない寂しさと虚しさを他の妖にぶつけるしかなかった。
そして一度ぶつけてしまった感情は、止まることなく膨らんだ。
人間への羨望と、妖である己への怒り。
彼はそれを他のものを見下すことで、なくそうとした。
自分を、守ろうとした。
「人間に混ざって、技術も知恵も学んで。
それからカフェを開いて、人間のことを知ろうとした。
悪霊達が住み着いたのは予想外だったけど。
でもそれを利用すれば、人間の強さが分かると思った」
「だから、誘い薬を？」
「結果は分からず仕舞いだったけどね」
肩をすくめて、諦めたように笑みを浮かべた。
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閔(プロフ) - あすきさん» 更新ゆっくりでごめんなさい...！（ ; ; ） 読んでくださって本当に嬉しいです！ありがとうございます(*^^*) うふふ。まだ出てきていないメンバーがそれぞれどんは妖怪になるのか、ぜひお楽しみに！ゆっくりにはなりますが、これからも頑張ります！ (2020年7月22日 18時) (
レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
あすき(プロフ) - 更新ありがとうございます！これからどんなメンバーがどんな妖怪になるのか楽しみです！これからも応援してます！ (2020年7月19日 19時) (レス) id: a838b5fe09 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - yumemiさん» こんにちは。わぁ...世界観からストーリー構成まで！細かなところまで見てくださって本当に嬉しいです！(*´∀｀*) メンバーの妖怪設定については完全に私の妄想&好みですが、気に入っていただけてよかったです！今後のメンバーもお楽しみに！これからも頑張ります！ (2020年5月23日 13時) (レス) id: f8df806129 (このIDを非表示/違反報告)
yumemi(プロフ) - こんばんは。楽しく読ませていただいている者です。独特の世界観がとてもとても好きで、仲間が増えていくストーリー構成にも惹きつけられます。これからも応援しています！(ジミンの妖狐とユンギの化け猫が秀逸すぎます!) (2020年5月23日 0時) (レス) id: 692b90f925 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - uniさん» ちむちゃん！読んでくれてありがとう(*´∀｀*) その一言だけで頑張れます...（ ; ; ）ゆっくり頑張っていこうと思います...！ちむちゃんも自分のペースでね。お互い頑張ろう！ (2020年5月20日 22時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：閔
| 作成日時：2020年5月18日 23時
