ごめん223 ページ23
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「パクさん」
お風呂から上がったであろうチョン君に名前を呼ばれて顔を上げる。まだ少し濡れている髪と服の隙間から見える肌に鼓動が速くなる。
恥ずかしさのあまり顔を逸らすと抱きしめられる体。
「……ほんとなんですよね。これ、現実なんですよね。パクさん、俺のこと好きなんですよね」
「……うん。全部ほんとだよ。私がチョン君のこと好きなことも全部」
死ぬほど嬉しいです、なんて泣き出しそうな声で言った。その声に私もチョン君の背中に腕を回す。
「チョン君」
「……はいっ」
「あの時気付いてくれてありがとう。私を守ろうとしてくれてありがとう。私をずっと好きでいてくれてありがとう。
それから、こんなに長く待たせちゃってごめんなさい」
ずっと言いたくて言えなくて。チョン君を好きだと伝えてもこのことが頭から離れなくて少しもどかしかった。私がチョン君を好きだと気付いたのはチョン君が私に気持ちを伝えてくれたから。まっすぐ私を見てくれていたから。全部チョン君のおかげだから。
「……そんな、お礼なんていいですっ。謝ることもしないでくださいっ。
俺の方こそ、ずっと一人だった俺を救ってくれてありがとうございます。俺を好きになってくれてありがとうこざいます。
守れなくて、逃げてごめんなさい」
私たちはどこか似ている。
お互いが大切すぎてお互いを傷付けていた。
でもそれも今日で終わり。
「ふふ。大好きだよ」
「俺も大好きです」
お互い引き寄せられるようにそっとキスをした。
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ゆきなみ(プロフ) - 一気に読ませて頂きました。一言で言うなら最高です。作者様の伝えたかった、テテとグクの違った優しさと不器用さ。両方胸が痛くなるほど伝わって来ました。作者様は、読み手の心のバランスを取るのが、凄く上手ですね^^*最後、一度テテに抱かれるシーン、大好きです。 (2022年2月27日 17時) (レス) @page25 id: dd84e47893 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - fyh333さん» わわわ!コメントありがとうございます!このお話も完結してはや半年......にも関わらず、こうして読んでいただいて本当に嬉しいです!これからもご期待に添えられるよう頑張りますね。ありがとうございました! (2019年12月29日 21時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
fyh333(プロフ) - 泣きました最高でした! (2019年12月29日 21時) (レス) id: db4f5022f9 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - cookyさん» わあ!ありがとうございます!完結してから日が経ったにも関わらず読んでいただいて、こんなに嬉しいコメントまで......ほんとに感謝です!私の伝えたかった思いを感じてくれて本当に嬉しいです。これからも頑張ります!ありがとうございました! (2019年7月17日 0時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
cooky - 本当に感動しました涙 夢主の周りがいい人すぎてもう涙がとまらなかったです。5章もあったのにあっというまでとても寂しいですがこれからも作者さんの作品を期待しています!ファイティン!! (2019年7月17日 0時) (レス) id: 13ad5ea90e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:閔 | 作成日時:2019年6月5日 20時