ごめん。【After Story】 (ページ4)

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「……ねぇ、ヌナ」

「なに？」

「話があるんだけど、いい？」

「うん。いいよ」

こんなにかしこまってどうしたんだろう。

……まさか。
そんなの、嫌だ。

「その、ほんとはもっと前に言いたかったんだけど」

嫌だ。

「まだ早いかなって、我慢してたんだ」

いやだ。

　

「だけど、やっぱり耐えられなくて。

……っ、ヌナ！？」

堪えきれず、溢れ出した涙。

あたふたしながらも背中をさすってくれるグク。

こうしてくれるのも、これが最後なの？
今貴方はどんな気持ちなの？

　
「いやだよっ……別れたくないっ……」

「っ、え……」

「離れたくないっ。グクと、ずっと一緒にいたい……っ」

思わず漏れた本心。

バカだ、私。
これじゃ本当に重い女じゃん。

グクのことを縛りつけたいわけじゃないのに。
グクが幸せなら、それでいいのに。

心のどこかで、離れたくないと思ってしまう。

「……バカ」

ぎゅっと強く抱きしめられる体。
今までのどれよりも強く優しいそれに、涙も止まる。

「グ、ク……？」

「ヌナのバカ。何一人で決めつけてるの」

「っ、え……？」

「俺がいつ、ヌナと別れたいなんて言ったの」

「だ、だって、我慢してたって……」

「……あー、うん。それは、そうなんだけど。
そうであってそうじゃなくて……」

　

訳が分からず、いまだに混乱している頭。

するとグクはゆっくりと体を離して。
私の顔を両手でそっと包み込んだ。

　
「ヌナは、俺がヌナのこと嫌いになったと思ってたの？」

「……うん」

「昨日もあんなにしたのに？」

「っ、そ、それはっ……最後、だからかなって……」

　

そう言うと、大きくため息をついた。

私の手を取って、指を絡めて、ぎゅっと握る。
その動作だけで何故か鼓動が速くなる。

　

　
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