ごめん58 ページ8
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「すー……はぁ」
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ふと、前方から聞こえた大きな深呼吸。
いきなりすぎて、思わず顔を上げた。
見えたのはチョン君が微笑む姿。
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「やっと見てくれた」
「…私、見てなかった？」
「目が合ってもすぐ逸らされましたから。
やっぱり好きな人の顔は真っ直ぐ見たいです」
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好きな人、その言葉に顔に熱が集まる。
きっと今の私の顔はりんごの如く真っ赤だ。
恥ずかしくなって思わず顔を逸らしてしまった。
チョン君はあ、と言って今度は半ば無理に私の顔を動かした。
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「やっぱり……貴女が好きです。
さっきのことも貴女の顔を見たら全部忘れました」
「そんな……
す、少しでも力になれたなら嬉しいけど…」
「……けど？」
「その…は、恥ずかしいから手、どけてくれる？」
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思考が停止する中、なんとか振り出した言葉をチョン君は面白そうに笑って手を離した。
そんなに面白かった？
こっちは笑みすら出ないのに。
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「……パクさん」
「は、はいっ」
「ありがとうございました。
午後からも頑張りましょう。
引き止めてごめんなさい」
「う、うん。こっちこそありがとう」
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では、と言って部屋から出ていった。
き、緊張した……鼓動が速い。
でもチョン君のことを少し知れて嬉しい気持ちもある。
それと、チョン君は本当に私のことを好き…なんだって知った。
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鼓動がまだ速い。バクバクってうるさい。
チョンに言われた言葉も一つ一つが頭に残ってる。
それを思い出しては、目の前の現実にまた顔が赤くなる。
あぁ、はやく治ってよ。
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作者名：閔
| 作成日時：2019年3月25日 13時
