ごめん。 2 (ページ32)

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チョン君の声はやっぱり焦っていた。
いつも落ち着きのある滑らかな話し方が、少し切羽詰まって大きな声になっていた。

チョン君の言動で何を隠しているかなんて分かってしまった。

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「チョン君……隠さなくていいから。
大丈夫。覚悟はできてるから」

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私の言葉を信じたのか、渋々体を離してくれた。

まっすぐ前を見れば、そこには彼とイさんが腕を組んで歩く姿。楽しそうに、幸せそうに二人で顔を見合わせていて。その笑顔は私に向けていたのと同じだった。
あぁ、彼はあの子がとても大切なんだって気付いた。

そんなことを心の中で思うばかりで、それが言葉になって出てくることはなかった。

その間にも二人はどんどん前に歩いていく。
そして、人だかりが多くなったところで傍にあるベンチに座り、二人で一度微笑んでそっと、キスをした。

ここからじゃ直接は見えないはずなのに、なぜかはっきりとその様子が見えた。

「パクさん、やっぱりもう……」

「大丈夫。私は平気だよ」

私の気持ちを受け入れたいのか、それ以上何も言わないチョン君。

そんなチョン君に申し訳ないという気持ちすら抱けないほどに、私は気持ちに余裕がなかった。

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