ごめん。 2 (ページ15)

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ごめん65 ページ15

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席に戻ると今度は無意識にため息が出た。ここ数週間で忘れていた緊張感が全部戻ってきた気分だ。一気に気分が沈んだ。

そんな気分のまま暫く仕事を続けていると、横にトン、と缶コーヒーが置かれた。ありがとうございます、と言って顔を上げると少し険しい顔をしたチョン君の姿。

「あまり落ち込みすぎないでください。
それと…一人で抱えすぎないでください」

チョン君の顔が険しかったのは、私のことで彼も苦しんでいるからだった。
私がテヒョンのことを引きずってることくらい、チョン君はお見通しで。チョン君からしたら、そんなの面白くないに決まってる。

自分で言うのも何だけど、好きな人がまだ違う人のことを考えているんだから。自分のことだけを考えてほしい、なんて誰かを好きになったら当たり前なのに。

「ごめんね。心配してくれてありがとう。
……頼ってもいいかな」

「当たり前です。俺は貴女の後輩ですよ。
先輩は後輩をこき使っていいんです。一人で抱え込むくらいなら、俺を利用してください」

利用、だなんて周りが聞いたら頭がおかしい人に見えるんだろう。私だってチョン君に自分を犠牲にはしてほしくない。

だけど、チョン君は犠牲だなんて思ってない。私のためなら何でもできるって、きっとそう思ってる。

「…ありがとう。
チョン君、この前ホソクたちと行ったバー覚えてる？」

「ソクジンさんのところですよね。覚えてます」

「じゃあそこに行こう」

「分かりました」

笑顔で頷くチョン君は、私の力になれることが本当に嬉しいようだった。そんなにも私のことを想ってくれているんだと思うと胸がきゅうと締め付けられて、でもチョン君に申し訳なくて。

いまだにあやふやな気持ちでいる私を助けたいだなんて、チョン君だって辛いはずなのに。

自惚れてるのかもしれないけど。

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