【Free! シリーズ】短編集 (ページ5)

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賭けから始まる告白（桐嶋夏也）ページ5

千歳の実家である喫茶店

夏也「くぅ～っ！やっぱ泳いだ後のビールは最高だな！」

カウンター席で夏也は、千歳の隣でビールを嗜む
二人は偶然岩鳶で再会し、一緒に夕飯をを食べることになったのだ
遅い時間なのか、店内は千歳と夏也だけであった

千歳「あの…夏也先輩。お酒はほどほどにしてくださいね？」
夏也「なんだ、千歳も飲みてえのか？ダメだダメだ！未成年はまだ早え！」
千歳「誰も飲みたいなんて言ってませんけど」

千歳は呆れた顔で夏也を見る

夏也「それにしても、ここの店の飯すげえ美味いな！特にこの生姜焼き定食がクセになりそうだ！」
千歳「ありがとうございます。それ、ウチの店で人気のメニューなんです！」

自分の店の看板メニューを称賛され、千歳は微笑む

夏也「そうだったのか！今度、尚に作らせるからレシピ教えてくれ！」
千歳「そこは自分で作らないんですね」
夏也「俺は食べる専門だからな」
千歳「その言葉、尚さんが聞いたらどんな顔をするんだか…」

明るい笑顔で言い張る夏也に再び呆れた顔を浮かべた

夏也「しっかし、驚いたな。この間東京で会ったばかりなのに、まさかお前もここに帰ってきてるなんて思わなかったぞ！」
千歳「私だって驚きましたよ！たまたま海の側を通ったら、夏也先輩が海で泳いでる姿に目を疑いましたから！」

お互い先程の再会した時の様子を思い出し、笑いあう

夏也「東京で再会して、岩鳶でもまた会うことになった。もしかしたら、俺らはそういう縁なのかもな」
千歳「ふふっ、そうかもしれないですね」

千歳は一口烏龍茶を口に流し込む
すると、夏也は一瞬真剣な顔を浮かべ、彼女の横顔を見る

夏也「なあ、千歳。賭けをしないか？」
千歳「え？」

夏也はポケットから一枚のコインを取り出し、千歳に見せる

千歳「コイン、ですか？」
夏也「ああ。もし、コインが入っている手を当てることができたら俺は二週間禁酒する。そしてお前の言うことをなんでも聞いてやる」
千歳「いや、何ですかその条件…てか、二週間禁酒って短くないですか！？」
夏也「俺が我慢できないからだ」
千歳「それ禁酒した意味ないですから！」

千歳はツッコミを入れた