124話 ページ26
「佐久間」
「阿部ちゃん？どうしたの？」
小声で阿部が佐久間を呼んで部屋の外に出る
「…ふっか達に話しかけても誰も反応返ってこないんだ…」
「それって…」
「だいぶ苦戦してるんじゃないかな…このままだと…」
2人は最悪の場合が頭に浮かんだ
「いや、絶対大丈夫！ふっか達は強いんだから！」
佐久間は大丈夫と阿部に言うが
それは自分にも言い聞かせているようで
「…とりあえず俺たちも行ってみよう」
「そうだね…」
そう話していると
『…2人は何話してるの？』
部屋から頭を出しているAがいた
「Aちゃん…えっとね僕達もふっか達の元に行こうと思うんだ」
『な、んで…』
「きっと大丈夫だと思うけど返事が来なくてね気になるから」
「絶対大丈夫だからAはここから…『やだ』え？」
『絶対やだっ！1人は嫌だ…っ！』
7人に何かあったのだと感じてしまったAはボロボロと泣き出して訴えた
『お願いっ行かないで…っ』
「A…」
ぎゅっと佐久間の服を掴んで言う
『絶対帰ってくるって言ってたもん…っだから待ってようよ…っ』
阿部と佐久間は顔を見合わせ
「ごめんAちゃん…」
阿部は泣いているAを優しく抱きしめた
「僕達、9人で1つみたいなとこあるからさ…行ってあげなきゃいけないの」
『阿部ちゃん…』
「だから約束する、9人で必ず帰ってくるって」
『ほんとにっ？』
「約束は守る！Aを悲しませない！」
「信じて待っててくれるかな？」
『……っ』
2人の顔は優しくて、そんなの見てたらダメなんて言えるはずもなかった
『…分かった、絶対帰ってきて9人で』
「あったりまえだろ！」
「うん、無理矢理でも連れて帰ってくるから」
待っててね、と言われ
阿部と佐久間も敵の元へ行ってしまった
『……神子様…っ』
どうか、どうかみんな無事で…
Aは勾玉を握りしめて祈祷する
『私の為にみんなが傷つくのは嫌なんです…』
何度も、何度も何度も祈祷を繰り返して
気づいたら阿部達が向かってから1時間経っていた
『………みんな…っ』
時間が経てば経つほど不安が募る
『やっぱり何かあったのかな…』
Aは立ち上がり、部屋を出ようとするが
『いやでも待っててって言われたしな…』
再び座り、考える
『待ってることしか出来ないのかな…』
ぼーっと遠くを見つめていると
"お主はどうしたいのじゃ"
『え？』
"皆を助けたいと思わぬのか？"
『……私は…っ！』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 326人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くらと(プロフ) - ゆきさん» 初めまして、コメントありがとうございます！お褒め頂きとても光栄です！これからも頑張りますので応援ありがとうございます！ (2022年7月15日 22時) (
レス) id: 1c83c89606 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - はじめまして！今日作品を見つけて内容がとても好みで、どのお話もとても面白いです🥰妖怪パロすごく好きなので私の好みのど真ん中の作品で本当に大好きです！（笑）更新楽しみに待ってます！これからも頑張ってください！ (2022年7月15日 21時) (レス) @page6 id: b6fe9e2e9a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くらと | 作成日時：2022年7月14日 7時
