115話 ページ17
「ねぇ、Aの様子がおかしいってどういうこと？」
ラウールの呼びかけに
全員居間に集まり、最初に喋ったのは深澤だった
「なんか普段と違うと言うか…ただいまの声も表情もなんだが冷たくて…Aちゃんじゃないみたいだった…」
説明するラウールは悲しそうで
「普段と違うねぇ…」
「あの、俺さ…実はAちゃんが屋敷から出ていくのみえたんだよね」
今朝、早く屋敷に訪れた阿部は
たまたま見ていたらしく
「それから鏡で様子を見ていたんだけど…森に入って行って…誰かと喋ってたんだよね」
「誰かって？」
「うーん…それが姿は見えなくてね？名前呼んでたんだよな…えーっと…確か"神子様"だったかな」
「………阿部ちゃん、もっかい言ってくれる？」
神子と聞いた時深澤の顔が険しくなる
「え？神子様って叫んでたよ？その後Aちゃんごと見えなくなっちゃって、また木霊達が騒いでたんだ」
ふっか知ってるの？と阿部が聞くと
「神子………いや、そんなはず……だってあいつは…っ」
「ふっか、ちょっと落ち着こ」
急に取り乱す深澤の肩を持つ岩本
「あいつは…っ…神子はもう…っいないんだよ…っ」
「…昔、ふっかから聞いた話に出てきた人だよね」
「…1000年くらい前に火事に巻きこれて…っ」
だからなんでAが神子と呼んでいるのかわからず、頭が混乱する
「こればっかりは本人に聞かないとわかんないよね…」
「Aがなんでそんなに冷たかったのかも知りたいね」
普段あんな明るくて優しい子が
冷たかった、というのは今までにない事で
「…俺、話してくるよ」
深澤はそう言って立ち上がる
「え、ふっか大丈夫なの？さっきまで取り乱してたのに…」
「大丈夫、どっちみちAとは話したかったから」
「ふっかが大丈夫ならいいけど…」
「んじゃ、俺行くからみんなは解散してていいよ」
また明日ね、と部屋を出て
「A〜いる？」
Aの部屋の前まで来て、声をかける
『………』
「ねぇいないのー？」
返事をしないでいると
「あ、いるじゃーん返事してよ〜」
戸を開けて、勝手に入ってくる
『…来ないで』
近づこうとすると、冷たい声で言ってくる
「冷たいAちゃん〜ふっかさん泣いちゃうぞ」
いつものように、話しかけると
『っ………もう、やめてよっ』
「…え？」
『…ふっかさ……私のことで隠してることあるでしょ…？』
「隠してること……」
涙目で聞いてくるAに戸惑いを隠せない深澤
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 326人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くらと(プロフ) - ゆきさん» 初めまして、コメントありがとうございます！お褒め頂きとても光栄です！これからも頑張りますので応援ありがとうございます！ (2022年7月15日 22時) (
レス) id: 1c83c89606 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - はじめまして！今日作品を見つけて内容がとても好みで、どのお話もとても面白いです🥰妖怪パロすごく好きなので私の好みのど真ん中の作品で本当に大好きです！（笑）更新楽しみに待ってます！これからも頑張ってください！ (2022年7月15日 21時) (レス) @page6 id: b6fe9e2e9a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くらと | 作成日時：2022年7月14日 7時
