22話 ページ24
「……他の人間に飲ませたんじゃ龍之介は、自分の身よりその子供にな」
『子供…』
「龍之介には子供がおってのう、よく遊びに来ていた子がおった」
今、何をしておるんじゃろうな？
と、Aを見て微笑む
『お狐様…？』
「…話はここまでじゃ、また今度続きを教えてやろう」
『え、まだ…』
まだ聞きたいことはいっぱいあると言うが
「お主を待ってる者もおるじゃろう？」
狐は鳥居の方に指を指す
『待ってる者…？』
指された方へ顔を向けると
「A！どこだ！！」
知ってる人の声が聞こえてきて
『…翔太？』
翔太がAを探して叫んでいるようで
「さっきも言ったでは無いか、この神社は他のものには見えぬと、さぁ帰るが良い」
Aの肩を掴んで鳥居の方へ押す
『いや、でも話…』
「また今度と言うとるじゃろ、言う事を聞きなさい」
それと、と続ける狐
「これをお主に渡しておくかのう」
はい、と渡されたのは
『綺麗…勾玉ですか？』
一見普通の勾玉に見えるが、角度を変えると色が変わり9色に光って見える
「お守りじゃ、お主が強く願いを込めれば叶う代物じゃ、そうじゃのう…」
少し考えたあと
「妾の名前は
『神子様…』
「じゃから"神子さん助けて"って言ってみるのも悪くないと思うんじゃ」
『それってどういう…』
何やらニヤニヤと妖しく笑う神子
その姿はまるで人にイタズラして喜んでる狐の様だった
「まぁその時が来れば分かる、ほら早く行かんとお主の待ち人が帰ってしまうぞ？」
そう神子が言うと、確かに段々と声が薄れて聞こえてくる
『…分かりました、また来ます』
「うむ、くれぐれもこの神社のことは内密にの？」
『はい』
それじゃ…と鳥居から一歩出ると、小さな祠が見えて
『あ、神子様！あの鳥居って…』
と、後ろを振り向くと
『え？消えてる…』
神社はなくなっていて、いつもの森の風景だった
「A！？」
『あ、翔t「お前今までどこにいた！？」え…？』
翔太が息を切らしながら険しい顔で聞いてくる
そんなに時間が経っていたのだろうか
神子と話していたのは数十分程度だ
「夜になっても帰ってこねぇし、ラウールに聞いても屋敷戻ったって言うし阿部に聞いたら照のとこ行ったって言うしその後帰ったって言うから屋敷戻ってもいねぇし」
『…ずっと探してくれてたの？』
「いや、別に、そういう訳じゃねぇけど…ほんとにどこ行ってたんだよ」
『えっと…』
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くらと(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます！猫めめ可愛いですよね！ (2022年6月8日 23時) (
レス) id: 1c83c89606 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - お話面白くて好きです！めめの猫ちゃん可愛くて好きです😊 (2022年6月8日 0時) (レス) @page33 id: 79c06ba365 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらと | 作成日時：2022年5月29日 19時
