20話 ページ22
『あー思ったより遅くなりそう、康二にやっぱり頼めばよかった』
帰る時に、康二が「乗って帰るか？」と言ってくれたがそこまで遠くなかった為、断ってしまった
『康二〜今から来て〜』
なんや、やっぱり俺がいるんやん！とか言いながら来そうだが、来るはずもなく
『そんなに遅くないのにもう暗いよ』
辺りは木ばかりで屋敷の方より暗い
『…早く帰ろ』
少し早歩きで帰ろうとしたら
…………じゃ
『？』
………っ…じゃ
『声…？』
…こ……っ…ちじゃ
『こっち…？』
何やら森の奥から声が聞こえてきて
何故か全く恐怖とかはなく、その声に引かれて入って行ってしまった
『あれ…？声しなくなっちゃったな』
途中まで声が聞こえていてその方に向かっていたが、急に聞こえなくなり辺りを見渡す
『声の主さん何処へ』
なんとなくそのまま歩いていると
『うわ…綺麗…』
灯りが見えてきたと思ったら
そこには立派な神社がそびえ立っていた
『神社なんてあったんだ…阿部ちゃん何にも言ってなかったけど…』
その神社には狐の象が置いてあり、汚れが1つもない
『お狐様の神社かな』
そうじゃ、妾の神社じゃ
『！？さっきの声！』
こっちじゃ、こっち
『え？』
階段を上がり、そこには普通の神社と変わらない場所で、賽銭箱に誰か座っていた
『…貴方が声の主さん？』
「そうじゃ」
そこには狐の耳としっぽが生えた、綺麗な白い毛のお姉さんだった
『へぇお狐様は初めて見ました』
「初めて？なんじゃお主、昔我と会ったこと覚えておらんのか？」
『お狐様とですか？』
「10年ほど前かのう、まだお主は子供じゃったから覚えてないのも無理もない」
『10年前…』
そう言えば、深澤が昔Aが森で迷子になって
みんな必死に探してくれたっていう話を聞いたことがある
「まぁ忘れるように記憶を消したからのう、覚えてるはずがないんじゃ」
『…なんでですか？』
「ここの神社は他のものには見えぬ故、他の誰かに言っても信じてもらえぬぞ」
『見えないって…？』
「"存在しない"のじゃ、この神社は」
『いや、あるじゃないですか！今私のいる場所…』
「それは妾がお主に見せているだけじゃ」
本来は数百年前にもうなくなっておる
『数百年前…？』
「………ここは、昔妖怪の村ではなく人間の村じゃた」
そんな話は聞いたことがなかった
じゃあ深澤達はどうしてこの村にいるのだろう
なぜ、人間の村に住みついたのだろう
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くらと(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます！猫めめ可愛いですよね！ (2022年6月8日 23時) (
レス) id: 1c83c89606 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - お話面白くて好きです！めめの猫ちゃん可愛くて好きです😊 (2022年6月8日 0時) (レス) @page33 id: 79c06ba365 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらと | 作成日時：2022年5月29日 19時
