38話 ページ38
Aは見合いのため､ゾルディック家に父母と出て行った｡
まあ､十中八九､相手に見合いを蹴られて帰って来るだろう｡あそこはそれが多いと聞くから｡
とにかく､決行日は今日だ｡家を抜け出し､目的地へと向かう｡
たどり着いたのは遠い海辺の街｡
街角にある小さな店の戸を開けると､心地よいベルの音がした｡
「いらっしゃいませ｡何かお探しでしょうか?」
にこっと愛想の良い笑みを浮かべる女性｡
彼女は俺達の叔母に当たる存在だ｡
「お店のベルをひとつ」
「かしこまりました｡こちらへどうぞ」
叔母が商品棚の下を開けると､地下への階段が続いていた｡
「…ああいうのいいから｡白々しい」
叔母と階段を下りながら言う｡
ここは叔母の営んでいる店｡
『お店のベルをひとつ』とはこの店を本当の意味で使用するための合言葉だ｡
「もう､つれないんだから｡秘密基地みたいで楽しいじゃない｡
で､なんの用事?また姉さんのおつかい?」
「いや､叔母さんに用事があるのは俺｡
…『ウミガメ』が欲しい」
そう言うと､叔母は怪訝そうにこちらを見た｡
「あんた本気?作った本人が言うのもなんだけど､あんな使用条件も面倒臭くて､デメリットばっかの使いづらい道具を?」
「そんな､使用条件も面倒臭くて､デメリットばっかの使いづらい道具が欲しいからここまで来たんだよ｡
…というかそこまでボロクソに言うなら､なんであんなもん作ったんだよ」
「いや〜､お酒飲んでた時に作ったものだからさ…ほら､あったよ」
ポイっと俺に向かって投げられた物を慌てて受けとる｡
ちゃんとこちらが希望した物だったので､
「10､20､30……ん､ぴったり｡これ､説明書」
「そういえば､姉さんは元気?」
説明書にざっと目を通している俺に､叔母が聞く｡
「…よくあんなのの心配できるよな｡叔母さんの右肩から下の火傷跡､母さんがやったんだろ」
「…姉さんは子供なの｡どれだけ酷い事をしたとしても､ただ､自分を見て欲しいだけ｡でも､相手に見て貰う方法が分からないから､見ているものを消そうとする｡…あの人はただ寂しいだけなの」
「…だとしても､やって良い事と､悪い事があるだろ」
「あら､人殺しがそれを説くの?」
「それは､……いい､帰る」
意地悪く聞く叔母に､反論の言葉が見つからなかった｡
何も言い返せないのが悔しくて､店を足早に去った｡
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紅紅李(くくり)(プロフ) - 。ちょこまろ。さん» コメントありがとうございます(^^)｡夢主ちゃんは､それだけヒソカが怖かった(性的な意味で)って事ですwww (2022年5月3日 10時) (
レス) id: a95bb3f93d (このIDを非表示/違反報告)
。ちょこまろ。 - 夢主ちゃんのヒソカに対するアタリが強くて笑いましたwww (2022年5月3日 9時) (レス) @page8 id: 1cb4a4c603 (このIDを非表示/違反報告)
紅紅李(くくり)(プロフ) - 【黒豹】@鬼 zm推しさん» ありがとうございます頑張ります!(^^) (2022年3月9日 13時) (レス) id: 611339ddb1 (このIDを非表示/違反報告)
【黒豹】@鬼 zm推し(プロフ) - 更新頑張って下さい!!(*´▽｀*)b (2022年3月8日 21時) (レス) id: 9147c4c152 (このIDを非表示/違反報告)
紅紅李(くくり)(プロフ) - チョコさん» ありがとうございます！もうめっちゃくちゃ嬉しいです(^-^)｡これからも頑張るのでこの作品と､ついでのついでで作者をよろしくお願いしますm(__)m (2022年2月16日 16時) (レス) id: f037107fb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もか@テスト死にそう | 作成日時：2021年9月3日 22時
