庶務120※ ページ22
｢あ、石上くん。つばめ先輩なら校舎裏の桜の木の下にいるよ｣
｢お、さんきゅー｣
団長にお礼を言いに言ったあと
そんな会話をしてから数分後、僕は月永に教えてもらった場所についた
「つばめ先輩！」
僕が名前を呼ぶとあ、優くん！と嬉しそうな表情をする
僕は今日、つばめ先輩にお別れを言うんだ
｢つばめ先輩、改めて言葉にします。本当にありがとうございました｣
｢私こそありがとう｣
「先輩と一緒に過ごした時間も、月永の為に僕の背中を押してくれた時も、応援してくれた時も全部が嬉しかったです。こんな経験初めてでした」
先輩には悪いことをしたなと思っている
｢傷つけることもあったと思うんですけど…その、短い時間だったけど楽しかったです｣
つばめ先輩の顔を見た
先輩は…泣いていた
「私もね、優くんと過ごした時間すっごく楽しかったの。そんな優しくて素敵な優くんにAちゃんっていう素敵な存在ができたのも嬉しい。優くんは私に沢山の思い出をくれた」
｢優くん。私と友達のままでいて、そして私と絶対に距離取ったりしないで｣
そう言って、僕の手を掴んだ
「ずるいっすよ先輩…」
「うん、分かっててやってる」
先輩は嘘をつかないって知ってるから
「信じますよ先輩」
「任せて」
「このあと卒業生は打ち上げっすよね、そろそろ行った方が良いですよ。最後は後輩らしく見送らせてください」
「先輩、ご卒業おめでとうございます」
木に掛けていた花束を持って先輩に渡した
「うん、ありがとう。またすぐに会おうね！Aちゃんも一緒に。絶対だから！…あ、あと…」
先輩が僕に駆け寄る
｢そろそろ月永ちゃんじゃなくてAちゃんって呼んでみたら？｣
｢へっ…｣
耳打ちをしたかと思えばすぐに走っていってしまった
…さっきまであんだけ泣いてたのに…最後にそんな余裕かまされるなんてやっぱりつばめ先輩らしいな
改めて卒業おめでとうございます。
月永を…名前呼び…か。
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作者名：ひ | 作成日時：2022年6月12日 11時
