庶務85※ ページ37
「…で、子安先輩、私にお話とは?」
「ちょっと聞いて欲しいことがあるんだ…
優くんと、Aちゃんのこと」
ある日、彼女は私を訪ねて来ました
「石上くんと月永さんですか…あの二人、色々ありましたね」
「うん。この間私、ここでAちゃんの独り言聞いちゃって…“こんな事ならさっさと告白すればよかった”って」
と、事の経緯を教えてくれました
「その時初めて優くんのことが好きなの知って…私どうしていいかわからなくて」
「それは少し難しい問題ですね…でも貴方は何もしなくていいと思いますけど」
「そうなのかな…それに本当に好きなのは私じゃない気がして」
「…石上くんがですか?現に貴方に告白してるじゃないですか」
「うん。あのね、優くんっていつもAちゃんのこと気にしてるの。勿論私を見たり話しかけたりしたら笑顔で接してくれるんだけど…優くんの中での1番はAちゃんなのかなって思っちゃって…」
私は今までの石上くんを想像しました。
一昨日は月永さんの脚の調子を私に聞いてきましたし…昨日は会長に相談してたみたいですね
…???私にも石上くんの事が分からないわ
「あっ別に優くんの事を異性として好意は持ってないんだ。ちょっと気になったの。かぐやちゃんはこんな時どうするのか聞きたくて」
「そうですね…私ならまず様子を観察します。彼は伊井野さん月永さん共に自分のせいで怪我させてますし、たまたまなのかもしれませんから」
「そっか、まずは様子見だね!もし私の思い過ごしだったら優くんに迷惑かけちゃうもんね、でもそれで自分の予想通りなら?」
「それは貴方が決めることです」
少し吐き捨てたように言う
これ以上は私が介入してはいけない気がしたから
「…分かった、そうしてみるね!ありがとう!助かった〜」
先ほどとは一転し安堵の表情を見せた子安先輩はそのまま生徒会室を去っていきました
それと、石上くんが月永さんの事を無意識に好き始めているなんて意識してなかったら気付かなかったわ。
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作者名:ひ x他1人 | 作成日時:2020年6月6日 15時