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「なんで、そんな掴み合いになってんのか、しんねーけど。こんなとこで、喧嘩するより、先にする事があんだろが！」
そういいながら、一人一人にほうきを手渡して。
自分は掃除機のスイッチを入れる。
「明日朝、お客さんが怪我しね―ように、隅々まで掃けよ。そんで、真ん中に集めろ。俺が端から掃除機かけっから。誠は先に絆創膏貼っとけ。旭、お前自分ででかい皿拾い上げて、新聞紙で包め」
「……」
無言のまま、一番に動き出した旭の動きにつられる様に、俺と渉ものろのろと、その後を追う。
静かな、かちゃかちゃという音と、時々強弱を奏でる低いモーターの音が、妙なハーモニーを作り出している。
手を動かしていると、ぐすぐすしていた目頭が、やっと渇いてきて、ほっぺたがつっぱった。
毎日掃除は、もちろん欠かさずやっているのに、埃はキラキラとした欠片とともに、やっぱり集まる。
それを、真ん中に寄せていくと、自然に3人が顔をつき合わす。
決まりが悪そうに、また向きを変え、数歩離れた場所から、もう一度やり直す。
渉とすれ違うとき、肩がちょっと当たった。
「…ごめんな」
小さな声が聞こえた。
それが、喧嘩になってしまったことをいっているのか、今ぶつかった事をいっているのか、俺にはよく分からなかったけど。
多分、両方になんだろうな、と思った。
さっきから、旭は、頭をつき合わすほどに、近くに来ても、決して俺と渉に、目を向けることなく、黙々と仕事を片付けた。
「おーっし、完了。皆ご苦労。以上解散！」
あんちゃんの鶴の一声で、俺たちは、そのままバラバラと、散った。
「…帰るわ」
階段を昇りかけた俺に、またちっちゃく渉は言った。
渉の声に顔を上げると、渉はちょっとすまなそうに、口の端を上げた。
「…なんか…こんな後味悪いことになるとは思わなくって。…今日、いいことがなくて、むしゃくしゃしちゃってて。…ごめんな」
俺は、それに向かい、頭を左右にぶんぶんと振った。
そして、そのまま向きを変え、渉について玄関まで行った。
「……誠、悪くなんかねーから。あんなん事故だろ？俺のほうも自業自得だし。気にすんな」
「……」
「そんじゃ、帰る。明日また来るって、旭に言っといて」
靴を履いている、渉に、なんとなく聞いた。
「…誰かと、喧嘩でもしたの？」
すると、薄っすらと渉に浮かんでいた笑顔は、姿を消した。
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wakano(プロフ) - あおみさん» 本当に長〜くなりそうです。世の中ぱっぱとどうにかなってしまう話が、多過ぎるな〜と（私を含め）。なので、時代に逆行しなかなか発展しない話しにしようと、思いまして。こんだけ書いて、やっとドキドキにもってこれました。この続きも、一緒に胸きゅんしましょう！ (2013年9月29日 23時) (
レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - ＊華＊さん» もうね、この話は意地でも、ゆっくりと書こうと思います。じんわり、じんわり。多分話的には、半分済んだ位なので、私のスピードで考えると、どうしても冬は越えるでしょう（笑）覚悟してやってください！次もまた遊びに来てやってくださいね！ (2013年9月29日 22時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
あおみ(プロフ) - 冬になってもこの二人を見守れるんですね。嬉しいです。長〜く読ませて貰えるんですから(^^)誠君のドキドキが私にも伝染して胸キュン（死語ですか？）です。あっちの二人の諍いが誠君の気持ちを変化させた原因ですからね、気になりますね。 (2013年9月29日 10時) (レス) id: 65e0db38aa (このIDを非表示/違反報告)
＊華＊(プロフ) - ふふふ、ゆっくりゆっくり変わっていく誠を楽しんでます（はぁと）旭は色々気付いてるからそれも楽しいです☆渉達はどうなるのかな。勿論季節が冬になってもついていきまーすっ♪ (2013年9月29日 9時) (携帯から) (レス) id: 27604c18e7 (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - ＊華＊さん» はい、このいけず〜な展開が書きたくて、書きたくて、長々と雷のエピソードを入れたんです。良い損なった何かを、朝日が飲み込む代わりに、誠が少しだけ、旭に対して変わってくれるかな〜？と思ってます。頑張れ、旭！ (2013年9月8日 22時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：wakano | 作者ホームページ：http://wakano.blog.fc2.com/
作成日時：2012年8月3日 0時
