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「…制服って…」
それ以上の言葉が出てこない。
だって、どう考えても、初発から旭はこの宿の、管理者代理だったし、俺なんかよりよっぽどいろんな事ができて。
―――泣いてしまった、俺を慰めてくれた。
確かめなかったって言われれば、それまでだけど。
ショックと羞恥が同時に襲ってきて、パニックで口がパクパクとしか動かない。
そんな俺の心中を知ってか知らずか、旭はしゃーしゃーと言ってのける。
「俺？１８だけど？」
「……１８さい」
３コ下。
「…見えねー…」
「それ、言うなよ。気にしてんだから」
そう言って、いつものように頭をぐりぐりとされた。
…３コ下に。
「…こら、…俺、２１だぞ。成人男性だぞ。なんだ？その上からの態度」
やられ慣れたぐりぐりは、俺の戦闘心に火をつけた。
「はあ？何言ってんだよ？今更」
俺の憤りはパッと旭に引火し、バトルが早速始まる。
「だって、俺知らなかったし、お前、老け顔だし、ずっとタメぐらいだと思ってたし！」
「そんなの、勝手な思い込みだろ！俺、騙してなんかないし、わざわざ泊まりに来た客に『俺１８歳です。よろしくお願いします』って言うのかよ！？」
「そっちこそ、俺の年は分かってんだから、敬意を態度で示せよ！」
「…け・い・い〜！？払えるかっ！！…お前の方こそ、可愛すぎんだろっ！！」
究極の台詞をお互いに言い合ったところで、ふーふーしゅーしゅーと肩で息をしながら、呼吸を整えた。
さて次、何行こうかと口を開きかけたところで、旭に先手を打たれる。
「……じゃあ、以降、敬語でお話させていただいたら、お気に召しますかっ！？」
凄んだ目が、怖いほど俺を見て、それでも、その目に負けるつもりは、全くなかったんだけど…。
『この先ずっと敬語でなされる会話』を想像してみた。
ここについて、ひと悶着あって、その時には冷たいほどの慇懃無礼な口調で。
でも、それも客室のドアの前までだったけど。
「……それは…嫌だ。やっぱり」
俺が口を尖らせながら、渋々に言うと、旭はホッとした顔をして、俺の頭をぽんと叩いた。
「これも続行？」
さっきは無性に腹が立ったのに、今度はそれが無くなる事を考えると、物足りないような気がしてくる。
「…もう、いいよ」
「そんじゃ、怒り収まった？」
「…う〜」
悔し紛れに唸って見せた。
納得した訳じゃないのに、旭が瞬時に見せた安堵の表情が、俺の気持ちを納めてしまった。
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革ベルト
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wakano(プロフ) - あおみさん» 本当に長〜くなりそうです。世の中ぱっぱとどうにかなってしまう話が、多過ぎるな〜と（私を含め）。なので、時代に逆行しなかなか発展しない話しにしようと、思いまして。こんだけ書いて、やっとドキドキにもってこれました。この続きも、一緒に胸きゅんしましょう！ (2013年9月29日 23時) (
レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - ＊華＊さん» もうね、この話は意地でも、ゆっくりと書こうと思います。じんわり、じんわり。多分話的には、半分済んだ位なので、私のスピードで考えると、どうしても冬は越えるでしょう（笑）覚悟してやってください！次もまた遊びに来てやってくださいね！ (2013年9月29日 22時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
あおみ(プロフ) - 冬になってもこの二人を見守れるんですね。嬉しいです。長〜く読ませて貰えるんですから(^^)誠君のドキドキが私にも伝染して胸キュン（死語ですか？）です。あっちの二人の諍いが誠君の気持ちを変化させた原因ですからね、気になりますね。 (2013年9月29日 10時) (レス) id: 65e0db38aa (このIDを非表示/違反報告)
＊華＊(プロフ) - ふふふ、ゆっくりゆっくり変わっていく誠を楽しんでます（はぁと）旭は色々気付いてるからそれも楽しいです☆渉達はどうなるのかな。勿論季節が冬になってもついていきまーすっ♪ (2013年9月29日 9時) (携帯から) (レス) id: 27604c18e7 (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - ＊華＊さん» はい、このいけず〜な展開が書きたくて、書きたくて、長々と雷のエピソードを入れたんです。良い損なった何かを、朝日が飲み込む代わりに、誠が少しだけ、旭に対して変わってくれるかな〜？と思ってます。頑張れ、旭！ (2013年9月8日 22時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：wakano | 作者ホームページ：http://wakano.blog.fc2.com/
作成日時：2012年8月3日 0時
