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「なんなんだ、なんなんだ、一体…」
夕飯は、マジに海の物が山盛りに次から次へと運ばれて、直前大特価なのがものすごく申し訳ないくらいのご馳走だった。
食堂でわいわいとその料理たちをつついているのは、ほとんどが家族連れで、一人黙々と食べているのは俺くらいだった。
いや、黙々と食べれていたのは最初の一品だけで、後から後からやってくる料理を運んでくるメンズたちが、入れ替わり立ち代り俺の向かいに座り込んでは、料理を摘まみながら何か話していく。
「これ旨いよ！食べてみて！俺大好物！」
芳がサザエのつぼ焼きの皿をテーブルに置く。
その口から今焼いたばかりです！を主張するように泡が溢れている。
爪楊枝でくるくると肝までちゃんと取り出し、口に入れると、上の方の身はぷりぷりしているし、肝の部分は僅かな苦味の中に甘さを感じるほどだ。
「…うま」
俺がそう言うと、芳は自慢げに笑い、
「そうでしょ、そうでしょ！」
と嬉しそうに言った。
次には渉が、鯛とかつおの刺身を持ってきて、
「これね、かつおはうちで炙ってるから出来立て。だから香ばしいんだよ。お勧め」
「…すげ」
「ご飯、お代わりいる？」
空っぽのお茶碗を指差す。
「うん！！」
白い飯が山盛りになって現れ、俺は夢中でそれを平らげた。
最後の最後に、旭がコーヒーを持ってやってきた。
「さっきはごめん」
一時のお客さん扱いはどこに消えたのか、思いっきりタメ口だ。
「…いいよ。年のことも女顔とならんで、言われ慣れてるから」
「…俺、客商売なのについ思ったこと口に出ちゃうんだよ」
そう、面と向かわれると、悪気がないのと反省してるのがよく分かって、返って可哀想になってしまう。
「そうだね…。まあ、いいんじゃない？正直なのはまあ美徳のうちだしさ」
「ありがと」
旭は、どっかりと、テーブルを挟んで向かいの席に腰を下ろした。
「…明日なんだけど、４時半頃起きれる？」
「４時半！！！」
あまり広くはない食堂の、それでも隅から隅の人の視線を一瞬にして集めるほどの声が、俺の口からほとばしった。
「だって、朝日だろ？だったら夜明け前に起きなきゃ、一番キレイなのは見えないぜ？」
「それりゃ、そうだけど…」
『朝日が一番きれいに見える島』のうたい文句に誘われてきた観光客も、大半は朝日なんか見ることもなく、絶対帰ってる。
と、俺は確信した。
ラッキーアイテム
革ベルト
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wakano(プロフ) - むぎさん» むぎさん！いらしてくださってありがとうございます！やっとペースが出来てきた感じですね。エンジン掛かるのが遅いので。今回の話は、そんなに怖くはないと思いますよ〜（笑）可愛い二人を見に来てくださいね！ (2012年7月25日 20時) (
レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - お邪魔します♪少しずつ近付いてく距離感にドキドキして楽しんでます☆大きめシャツの誠くんの姿に思わず「可愛いっ！」と声を大にして同意です(≧∇≦) (2012年7月25日 8時) (携帯から) (レス) id: 3852c5ec20 (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - ＊華＊さん» やっと、緊張の糸が切れたって言うか、ホッとしたんだと思います。同室になって寝食を共にするようになって、まだまだもうちょっと色々ありますが、お互いのことを分かり合ってくれたらいいなと思います。千切りは大きな目標です！ (2012年7月21日 21時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - 羽月さん» 羽月さま初めまして！こんな隅っこまでお目を通していただきありがとうございます！うちの誠を可愛いといっていただき嬉しいかぎりでございますです。二人の関係がなかなか進まないが私の話で、皆さんをヤキモキさせますが、もう暫くお待ち下さいね！ (2012年7月21日 21時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
＊華＊(プロフ) - 人に怪我させてしまったって心を重くした誠くんの優しい心がじんわりと涙を誘います。旭が無言ずっと傍にいてくれて良かったです。旭も優しいですね。千切り頑張れ〜っ。 (2012年7月21日 10時) (携帯から) (レス) id: 27604c18e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：wakano | 作者ホームページ：http://wakano.blog.fc2.com/
作成日時：2012年6月18日 23時
