センチメンタルジャーニー１ ページ1
毎日、毎朝、どんなに辛くても、どんなに迷っていても、そこに朝日は昇ってくる。
たとえ、雨の日であっても、ぶ厚い雨雲の向こうには、太陽が輝いている。
それを思うと、『さあ、やるぞ』って言う気分になるんだ。
・
・
一人、フェリーの外のデッキに立ち、後ろのプロペラが送り出す、白い水のうねりを見ていた。
泡立ちながら、押し出されていく少し碧が掛かった白い道が、船の後にずっと続いている。
それを見ていると、取り残されたような置き去りにしたような、妙な気持ちになって、胸の奥がズキンとした。
「…ちょっとの間だよ。心配すんな」
そう言って、昨日携帯を切った。
ゆっくりと色々考えたくて、一人になりたくて。
衝動的に、ネットの口コミに出ていた民宿の、直前、劇安企画に乗っかった。
場所もあまり確認しないで、勢いでキーを叩いたから、結構そこに行き着くまでに時間がかかることが後から分かった。
そこは、『朝日が一番きれいに見える島』がうたい文句の(つまり、きっと他に何にもない)、唯一の外界への交信手段である、主なフェリーが朝、昼、晩の三便しかないような、ど田舎の島だった。
結局、夜のうちに移動方法をネットで確認し、『Ｎｏ〜！！』という気持ちになりながら荷物をまとめて、ちょい寝して、早朝に家を出てきたわけである。
一番近い新幹線の到着駅から、ひたすら南に下るバスに乗り、途中で乗り換え、それでやっとその日の最終便に間に合ったというところだ。
途中、何度か携帯が、出ろ出ろと言わんばかりに鳴った。
それを無視して、バスに揺られた。
ここで、声を聞いて、ちょっとした泣き言を耳にすれば、俺はきっとこの一代決心を撤回して、家路に向かうはめになるだろう。
やっと決めたから。
その意気込みを消されたくない。
センチメンタルジャーニーは絶対に決行する。
だから、携帯の電源をＯＦＦにした。
揺らいでしまう気持ちを断ち切るために。
着いた港は、日の光の中でサンサンと水面を輝かせていて、俺の気分も上向きにちょっとだけわくわくする。
フェリーの時間もばっちりだ。
待合には、夏休みに入ったばっかりという事もあり、同じ年齢位の人達をちらほらと見掛けた。
その中の二人組みはパッと見目を引くタイプで、自分のことは差し置いて、こんなところに何しに来たんだろうか？とか、考えてしまった。
ラッキーアイテム
革ベルト
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wakano(プロフ) - むぎさん» むぎさん！いらしてくださってありがとうございます！やっとペースが出来てきた感じですね。エンジン掛かるのが遅いので。今回の話は、そんなに怖くはないと思いますよ〜（笑）可愛い二人を見に来てくださいね！ (2012年7月25日 20時) (
レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - お邪魔します♪少しずつ近付いてく距離感にドキドキして楽しんでます☆大きめシャツの誠くんの姿に思わず「可愛いっ！」と声を大にして同意です(≧∇≦) (2012年7月25日 8時) (携帯から) (レス) id: 3852c5ec20 (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - ＊華＊さん» やっと、緊張の糸が切れたって言うか、ホッとしたんだと思います。同室になって寝食を共にするようになって、まだまだもうちょっと色々ありますが、お互いのことを分かり合ってくれたらいいなと思います。千切りは大きな目標です！ (2012年7月21日 21時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - 羽月さん» 羽月さま初めまして！こんな隅っこまでお目を通していただきありがとうございます！うちの誠を可愛いといっていただき嬉しいかぎりでございますです。二人の関係がなかなか進まないが私の話で、皆さんをヤキモキさせますが、もう暫くお待ち下さいね！ (2012年7月21日 21時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
＊華＊(プロフ) - 人に怪我させてしまったって心を重くした誠くんの優しい心がじんわりと涙を誘います。旭が無言ずっと傍にいてくれて良かったです。旭も優しいですね。千切り頑張れ〜っ。 (2012年7月21日 10時) (携帯から) (レス) id: 27604c18e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：wakano | 作者ホームページ：http://wakano.blog.fc2.com/
作成日時：2012年6月18日 23時
