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奴は、ちょっとだけ怪訝そうに、片方の眉を持ち上げる(タイソウ立派な眉毛だ)。
そしておもむろに立ち上がり、
「どうぞ」
と、俺の腕を掴むと、言葉の丁寧さとは裏腹に、窓際に押し込んで、自分は通路側に座った。
ここが初々しいカップルなら。
『バスの座席って、狭いのが良いんだよね(ハート)』
とか言って、微笑みあうんだろうが、なんせ男二人、しかも半分喧嘩腰だ。
気まずいったらない。
それでも、俺は久しぶりに見る、窓の外の世界に目を奪われる。
自転車を走らせる高校生を、上から眺めながら、追い抜いていったり、すれ違うトラックの運転手が、朝飯のおにぎりを口に咥えていたり。
ここから見える風景は、いつもの俺よりも、高く、空に近い。
そして。
「…俺、ここ見るのが一番好きなんだ」
必ず停車するバス停の傍に、こじんまりとした赤い屋根の可愛らしいパン屋がある。
店の前には、ギリギリに２台ほどの駐車スペースがあり、通勤途中の人とか、近所の人が散歩がてらとか、立ち寄る姿を見せる。
この時間には、もう窓際のトレイには、ぎっちりと色んな種類のパンが並んでいる。
それを見ているだけで、幸せな気分になった。
「暑かったり、寒かったりしない時には、ちょっとだけ窓開けんの。…旨そうな良い匂いがするんだー…」
この席に座っていると、店の正面にぴたっとバスは止まり、俺は諸々なことを満喫することが出来る。
乗り込んだ人を確認して、バスの扉は閉まり、次のバス停を目指すべく走り出す。
「ふーん」
と、隣は言う。
「俺は、次の次のバス停」
次のバス停は、誰も乗ったり降りたりしなかった為に、素通り。
そして次のは丁度、人ん家の軒先に止まる。
「…ここの家の、犬見て…。いま、外に出てきてる…」
その犬は、どこぞの携帯電話のＣＭに出て来るくらい、真っ白で、そして輪切りになったマシュマロにマッチ棒の足がついたように、パンパンのお腹を抱えていた。
「…多分、もうすぐ生まれるんだよ」
「ああ！子犬？」
「そう。俺、実家で犬飼ってるから、すげーあいつの事、気になんの。だから、ここ動けない」
やっぱり、この席がベストポジションになり、犬小屋の中の様子まで、覗き込むことが出来る。
「…無事生まれるまで、心配だよな…」
ラッキーアイテム
革ベルト
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wakano(プロフ) - 大宮sk♪さん» はじめまして！ポロっポロとしか書けないので、また見かけたらで、結構です。応援よろしくお願いします！ (2013年10月9日 8時) (
レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
大宮sk♪(プロフ) - 面白かったです！！応援していきたいですｗ (2013年10月9日 0時) (レス) id: e3e9052229 (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - ＊華＊さん» あ、全然気にしませんし、何の問題もないでしょう（笑）同居です！間借りですよ！シェアハウスですってことで、万事ＯＫ（笑） (2013年10月7日 23時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
＊華＊(プロフ) - ぎゃーっ!!オブラードに包んだ物を聞いちゃダメですよねーっ！ばかな自分にがーん。もし不都合があれば（フラグとか色々）お手数ですがコメント消して下さい（ｱｾｱｾ）消されても*華*は構いませんので〜。や〜ん本当すいませんっ (2013年10月7日 22時) (携帯から) (レス) id: 27604c18e7 (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - ＊華＊さん» はい、お察しのとおりでございます。もうそのまま、ｼﾞｭﾝさんのお部屋に転がり込みました。一応、フラグを立てない予定のお話だったので、やんわりと、オブラートに包んだ次第です。離れていた分、離れられなくなったってやつでしょうか？ (2013年10月7日 21時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：wakano | 作者ホームページ：http://wakano.blog.fc2.com/
作成日時：2013年10月6日 13時
