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「シノ、何て言ったの？」
下を見たままの頬がぐっとその色を増す。
答えはなんとなく分かっていたけど、そのあなたの表情が、俺の気持ちの一部を上昇させる。
質問の答をその口から言わせたい。
「…もう、いいだろ？別に大した事じゃないよ…」
覗き込む俺の顔を避けるように、ぐいぐいと両手が肩を押し戻す。
「じゃあ、教えてよ。じゃなきゃ『にらめっこ』やめない」
「……」
ばつの悪そうにへの字に下がった口元が、可愛すぎる。
「ほら…」
駄目押しに促す。
「……『二人でゆっくりして』って言ったんだよ…」
「それ聞いて、どうして聡は俺の顔見れないの？」
「……だって。シノがすごい辛い状態なのに、俺ら二人、そういうの出来ないだろ？」
「うん…。だからシノが一緒にいる時は、俺もしないよ」
「……シノにそう言われて…なんかね…」
「うん？」
「俺が…淳のこと我慢してるみたいに、シノに思われてるのかと、思っちゃったんだよ…」
「…我慢してない？」
「…してるつもりは、なかったんだけど…」
「そうなの？」
「シノにそんなこと言われて、なんかお腹の中がガって熱くなって、まともに顔が上げられなくなった。…淳の顔見れなくなった」
「……さとし。……キスしようか？」
「は？何だよ、いきなり」
「…俺はさ、我慢してたよ」
「……」
「だから、正直シノがそう言ってくれて嬉しい。……聡にキスして欲しい」
「俺から？」
「……あんまり、聡からしてくれないじゃん」
「そりゃ…俺がするより先に、そっちがしてくるから…」
「じゃあ、俺はしないから。してくれるの待ってるから…」
俺の言葉に甘くなった防御を破り、もう一度、至近距離まで顔を近づけると、にっこりと笑って、目を瞑った。
「…っ…」
あなたは、口の中で何かを呟く。
俺の肩に置いたままの手が、そっと軽く俺を掴む。
そして、濡れた柔らかな感触が、俺の唇にゆっくりと当てられた。
触れた物を探るように、舌先で舐めとると、あなたの唇はは僅かに開き、俺をその中に導こうとする。
「…ダメだよ。聡の方から来てくれなきゃ…」
ほんの数ミリだけあなたを離れ、そう言うと、あなたは、少しドギマギとした表情を浮かべ、それでも、再度俺に口づけた。
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wakano(プロフ) - ＊華＊さん» ６月中に書ききりたかったんです！ちょっと意地で書き上げました。だって、早く始めないと夏が終わっちゃうんです！早く取り掛からないと！また真冬が来て、断念するか、寒い中うだるような暑さを想像して書くかの選択になってくる！と思ったんです。夏物語頑張ります！ (2013年7月1日 22時) (
レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - あおみさん» どうにか、纏まりましたかね？（笑）書き終えて思ったこと。『やっぱり、長い話の主役を章さんにするのは、私には無理がある』よく分かりました。やっぱり、ＭＯですね。でも、だんだん冬馬のことが可愛くなってきちゃって。次では一人称を語らせたいと思ってます。 (2013年7月1日 22時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
＊華＊(プロフ) - 日曜日なのに怒涛の更新お疲れ様です！淳くんはこれで本当にホッと出来るかな(笑)プロポーズに花束なんて…色男は違う☆シノの言った通りですねっ。これは章さんの負けだわ(笑)全員が丸く（？）収まり一安心です。夏物語！やったーっ此方も楽しみにしてます♪
(2013年6月30日 20時) (携帯から) (レス) id: 27604c18e7 (このIDを非表示/違反報告)
あおみ(プロフ) - ありがとうございました！章さんの受難はまだ続く？みたいな（笑）それでも冬馬は気持ちを伝えられたし、シノ達も聡君達もハッピーで。それにハロマイ！お利口に待ってました！またﾄﾞｷﾄﾞｷの日々が過ごせます。楽しみにしてます！ (2013年6月30日 19時) (レス) id: 65e0db38aa (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - ＊華＊さん» そうなんです。嘘から出た誠って奴ですか？深夜に盛り上がって、寝ちゃったら起きれないだろう、ことで二人仲良く風邪引いてもらいました（笑）章さんがなかなか頑張れないので、これから冬馬が頑張ります！ (2013年6月27日 5時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：wakano | 作者ホームページ：http://wakano.blog.fc2.com/
作成日時：2013年3月27日 0時
