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「…母さんはね。『よかったね』って言ってくれたよ」
「……」
「ちゃんと、俺がかずのことずっと好きいることを、守れるのなら。それでいいって」
「…ありが…と」
シノの声が、何かに躓いたように、引っ掛かった。
「…でも、どうせならそういうこと、もっと早く言ってくれない？ こっちは、いらないことまで色々考えちゃうだろ？」
誤魔化すように、目を擦るシノの頭をぽんと叩くと、
「うん、今度からはちゃんとそうするよ」
そして、周りをぐるりと見回す。
「…なんか、もう一人の主賓が来ないねー」
「…あいつ…これからこういうことがあったら、シメてやる」
「怖え〜」
そう言いながら、シノが皿に乗ったカナッペに手を伸ばすと。
「だめ！」
すかさず、大場ちゃんがぺちりとその手を叩く。
「いいよ、いいよ。遅れてくるほうが悪いんだから、時間も遅くなるし、始めようぜ。来たらもう一回、乾杯すればいいんだから」
「それじゃ、注文だけ聞いとこうか。章ちゃんなんにする？」
と、大場ちゃんは俺にだけ確認する。
「……キール…」
「…なるほど。了解」
甘そうで、軽く、食前酒としてよく使われる『キール』は、物売りには特別意味のあるのカクテルだ。
ブルゴーニュ産ワインの販売促進ために、同じ地方で作られているカシスリキュールと抱き合わせにしたカクテルを市長が考案し、宣伝し広め、成功を収め、地方の復興をももたらした。
『キール』はその市長の名前だ。
俺もこのカクテルに恥じないように、頑張らなきゃ、とかいう意味をこめて。
実は今日一日掛けて、夜の一杯目を考えてたんだけど。
大場ちゃんは、ちゃんと感じ取ってくれたようで、大満足。
「…で、後は任せてください」
大場ちゃんがカウンターに戻った後、
「…章くんの持ってるの、それ、何？」
俺の脇に置いてある、包みを指差す。
「…ああ、今日の集まりの『冬馬』の部分は、結局、俺とシノくらいしか直接は関係ないし、シノは飲み題負担してくれるから、せめてなんか祝いくらいしようかと思って」
縦に長い紙袋から、首に華麗なオレンジのリボンを纏った、豪勢なシャンパンのボトルを取り出した。
「…なんか、思い出さない？冬馬に聡くんと、淳のことがばれた時のこと」
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wakano(プロフ) - ＊華＊さん» ６月中に書ききりたかったんです！ちょっと意地で書き上げました。だって、早く始めないと夏が終わっちゃうんです！早く取り掛からないと！また真冬が来て、断念するか、寒い中うだるような暑さを想像して書くかの選択になってくる！と思ったんです。夏物語頑張ります！ (2013年7月1日 22時) (
レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - あおみさん» どうにか、纏まりましたかね？（笑）書き終えて思ったこと。『やっぱり、長い話の主役を章さんにするのは、私には無理がある』よく分かりました。やっぱり、ＭＯですね。でも、だんだん冬馬のことが可愛くなってきちゃって。次では一人称を語らせたいと思ってます。 (2013年7月1日 22時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
＊華＊(プロフ) - 日曜日なのに怒涛の更新お疲れ様です！淳くんはこれで本当にホッと出来るかな(笑)プロポーズに花束なんて…色男は違う☆シノの言った通りですねっ。これは章さんの負けだわ(笑)全員が丸く（？）収まり一安心です。夏物語！やったーっ此方も楽しみにしてます♪
(2013年6月30日 20時) (携帯から) (レス) id: 27604c18e7 (このIDを非表示/違反報告)
あおみ(プロフ) - ありがとうございました！章さんの受難はまだ続く？みたいな（笑）それでも冬馬は気持ちを伝えられたし、シノ達も聡君達もハッピーで。それにハロマイ！お利口に待ってました！またﾄﾞｷﾄﾞｷの日々が過ごせます。楽しみにしてます！ (2013年6月30日 19時) (レス) id: 65e0db38aa (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - ＊華＊さん» そうなんです。嘘から出た誠って奴ですか？深夜に盛り上がって、寝ちゃったら起きれないだろう、ことで二人仲良く風邪引いてもらいました（笑）章さんがなかなか頑張れないので、これから冬馬が頑張ります！ (2013年6月27日 5時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：wakano | 作者ホームページ：http://wakano.blog.fc2.com/
作成日時：2013年3月27日 0時
