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「…どこって…そりゃ家だけど…」
俺のその答で、冬馬の顔はムッとした表情に変わる。
「…そー…ですか…」
「…で、シノ風邪引いたって？」
「……大風引いて、熱が出たって連絡がありました。だから、今日は休みですよ…。そんなこと知らないんですか？」
「…知るわけねーだろ！……たく、あいつまた聡くんに迷惑掛けて…」
「…え？」
「…お前、秘書課帰っとけ」
見るからに偉そうにふんぞり返らなきゃ、まともに座れない椅子から、よっと、立ち上がる。
中途半端にりっぱで、俺には合わないらしく、長時間座っていると、腰が痛くなる。
「どこ行くんですか？」
ドアの横に立っていた冬馬が、歩き出した俺に向かい訊ねる。
「私用だから、黙っとけよ。また勝手にいなくなるだの、行き先言ってから出掛けろとか。マジ、俺小学生かよって扱いだから、秘書課の奴ら」
「…章さんがそんなんだったら、そういう扱い受けてもしょうがないと思うんですけど」
「もう、めんどくせーな。ならお前言っとけよ」
「どこ行くんですか？」
「保険部！」
「…俺も行きます」
ドアに手を掛けた俺に向かい、冬馬が後ろにつく。
「はあ？」
「俺、章さんの秘書になったんです。だったら、章さんがいつ何をしてるか、俺が知っとく必要があるでしょ？……とりあえず、社内では…」
最初の、ちょっと拗ねたような顔つきから、きりっとした表情に変わる。
その、心の在りようが手に取るようにわかる、コロコロと変わる表情が、素直な心根をあらわしていて、面白い。
「じゃあ、来いよ」
部屋を出て、早足で保険部に向う俺の後を、その歩調に合わすように、大きな歩幅で隣を歩く。
エレベータに乗ろうと前に立つと、『▼』のボタンにすっと手が伸び、到着したエレベータに入り込めば、今度は保険部のある３階のボタンが押され、ストレスなく扉も閉まる。
そして、目的の保険部に付くと、
「待ってて下さい」
と自分が先に中に入り、３分もしないうちに、ひょっこりと聡くんが顔を覗かせた。
「…章くん！どうしたの？風邪治った？」
「…聡くん、俺さ、別に風邪じゃあなかったんだけど。と、それよりシノが風邪引いてやすんだって聞いたんだけど。あいつまだ聡くんのとこにいるの？」
「えっ？シノ休んでるの？」
聡くんは、心の底から驚いた顔をした。
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wakano(プロフ) - ＊華＊さん» ６月中に書ききりたかったんです！ちょっと意地で書き上げました。だって、早く始めないと夏が終わっちゃうんです！早く取り掛からないと！また真冬が来て、断念するか、寒い中うだるような暑さを想像して書くかの選択になってくる！と思ったんです。夏物語頑張ります！ (2013年7月1日 22時) (
レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - あおみさん» どうにか、纏まりましたかね？（笑）書き終えて思ったこと。『やっぱり、長い話の主役を章さんにするのは、私には無理がある』よく分かりました。やっぱり、ＭＯですね。でも、だんだん冬馬のことが可愛くなってきちゃって。次では一人称を語らせたいと思ってます。 (2013年7月1日 22時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
＊華＊(プロフ) - 日曜日なのに怒涛の更新お疲れ様です！淳くんはこれで本当にホッと出来るかな(笑)プロポーズに花束なんて…色男は違う☆シノの言った通りですねっ。これは章さんの負けだわ(笑)全員が丸く（？）収まり一安心です。夏物語！やったーっ此方も楽しみにしてます♪
(2013年6月30日 20時) (携帯から) (レス) id: 27604c18e7 (このIDを非表示/違反報告)
あおみ(プロフ) - ありがとうございました！章さんの受難はまだ続く？みたいな（笑）それでも冬馬は気持ちを伝えられたし、シノ達も聡君達もハッピーで。それにハロマイ！お利口に待ってました！またﾄﾞｷﾄﾞｷの日々が過ごせます。楽しみにしてます！ (2013年6月30日 19時) (レス) id: 65e0db38aa (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - ＊華＊さん» そうなんです。嘘から出た誠って奴ですか？深夜に盛り上がって、寝ちゃったら起きれないだろう、ことで二人仲良く風邪引いてもらいました（笑）章さんがなかなか頑張れないので、これから冬馬が頑張ります！ (2013年6月27日 5時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：wakano | 作者ホームページ：http://wakano.blog.fc2.com/
作成日時：2013年3月27日 0時
