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「ただいま〜」
鍵を開けてもらうと、ドアから心配そうな顔が覗く。
「そんな顔してどったの？ ちゃんと帰って来たでしょ？」
「…帰ってきても、心配。帰ってこなくても心配なんだよ」
リビングに入りながら俺が言うと、丁度、書斎から出てきた旦那が青野さんに代わってそう答えた。
その旦那自身は、ちょっと困ったような顔をして、俺に笑って見せる。
３つも年上の嫁が、『可愛くてしょうがねー』って顔だ。
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確かに青野さんは俺が入った進学校の中で、異彩を放つほどの可愛さだった。
もう、全校生徒全員のアイドルと言っていいほどで、青野さんの動向は、日々あちこちで追いかけられ、話題となる。
それをがっちりと脇から、章さんがガードしていた訳だ。
自分の秘めてる想いが、周りには丸分かりになってることにも、気が付かないくらい、その視線はわき見目も降らず真っ直ぐで。
傍から見ると恥ずかしいくらいだった。
この人たちが、大学４年の時、秋の、なんでもない週末の休みに、青野さんがいきなり京都から帰ってきて、召集が掛かった。
そのころは、大学は章さんと俺が、東京。
青野さんは京都と、分かれていた。
それが決まった時の、章さんの落胆ぶりといったら、もう本当に気の毒でならないくらいで(俺は後ろで笑っていたけど)。
それでも、章さんのその気持ちは、こっちが苦しくなってしまうくらい、手に取るように分かってしまった。
その頃の俺は、もう決して会うことはないだろうと思われる相手を、想い続けることに慣れてきた頃だった。
章さんとは一個違いで、学校も別だったけど、それでも何故かつるんでよく遊んでいて、京都から時々青野さんが帰ってくると、高校のときと同じ様に、３人で遊んだ。
ふらっと、帰ってきたような雰囲気の青野さんは、待ち合わせのコーヒーショップで、皆の顔が揃うと、『にへ』と幸せそうに笑った。
そしておもむろに、
「…俺、結婚したんだ〜」
と、どでかい爆弾を俺たちに投げつけた。
俺は、『一体章さんはどんな顔をして、この話を聞いているのか？』と、そっと隣を盗み見た。
章さんは、ニコニコと嬉しそうに笑っていた。
「ちょっと早えんじゃないの? あの付き合ってた子だろ？」
そうやって、普通に友達の早い結婚を冷やかしてるとしか、思えない会話がずっと続いた。
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wakano(プロフ) - ＊華＊さん» ６月中に書ききりたかったんです！ちょっと意地で書き上げました。だって、早く始めないと夏が終わっちゃうんです！早く取り掛からないと！また真冬が来て、断念するか、寒い中うだるような暑さを想像して書くかの選択になってくる！と思ったんです。夏物語頑張ります！ (2013年7月1日 22時) (
レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - あおみさん» どうにか、纏まりましたかね？（笑）書き終えて思ったこと。『やっぱり、長い話の主役を章さんにするのは、私には無理がある』よく分かりました。やっぱり、ＭＯですね。でも、だんだん冬馬のことが可愛くなってきちゃって。次では一人称を語らせたいと思ってます。 (2013年7月1日 22時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
＊華＊(プロフ) - 日曜日なのに怒涛の更新お疲れ様です！淳くんはこれで本当にホッと出来るかな(笑)プロポーズに花束なんて…色男は違う☆シノの言った通りですねっ。これは章さんの負けだわ(笑)全員が丸く（？）収まり一安心です。夏物語！やったーっ此方も楽しみにしてます♪
(2013年6月30日 20時) (携帯から) (レス) id: 27604c18e7 (このIDを非表示/違反報告)
あおみ(プロフ) - ありがとうございました！章さんの受難はまだ続く？みたいな（笑）それでも冬馬は気持ちを伝えられたし、シノ達も聡君達もハッピーで。それにハロマイ！お利口に待ってました！またﾄﾞｷﾄﾞｷの日々が過ごせます。楽しみにしてます！ (2013年6月30日 19時) (レス) id: 65e0db38aa (このIDを非表示/違反報告)
wakano(プロフ) - ＊華＊さん» そうなんです。嘘から出た誠って奴ですか？深夜に盛り上がって、寝ちゃったら起きれないだろう、ことで二人仲良く風邪引いてもらいました（笑）章さんがなかなか頑張れないので、これから冬馬が頑張ります！ (2013年6月27日 5時) (レス) id: 079ef5676a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：wakano | 作者ホームページ：http://wakano.blog.fc2.com/
作成日時：2013年3月27日 0時
