爆豪勝己が1位にこだわる理由 (ページ7)

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起きない5(過去)爆豪ページ7

意味がわからなかった。

イライラしていた。
デクばかり庇うAにもモヤモヤしてる俺にも。
八つ当たり、と言えばそうかもしれない。
明日謝ればまたAは俺の隣に居てくれるだろうか、

あぁ

後ろでデクと話すAの声が聞こえる。

今日はデクと帰ったんか、明日は俺の隣にいてくれるだろうか、
俺らしくない考えを巡らせていた。

危ない！

誰かの声がして振り返ろうとしたその時

背中を思いっきり押され前に転んだ
フワッといつも隣にいるアイツの匂いがした気がした。

爆豪｢いってぇな、おい！｣

顔を上げると目の前には

血塗れの少女と凹んだトラック

爆豪｢は？｣

モブa｢君！大丈夫か？！おい救急車！！｣

モブb｢すみません！救急車お願いします！女の子がトラックと衝突して、えぇ、場所は・・・｣

時間が止まったように感じた。
むせ返るような血の匂い。
暑く汗ばむ体。
ざわざわと耳障りな周りの音。
すべてがスローに感じた。

なんだか、少女の来ている服に見覚えがある気がする。
なんだか、ランドセルについているキーホルダーが俺とお揃いな気がする。
なんだか、目の前に血塗れで倒れている少女に見覚えがある気がする。

なんだか、目の前の少女がAな気がする。

・・・ちゃ・・・っちゃん・・・かっちゃん！！

はっ！

緑谷｢かっちゃん！怪我は？｣

爆豪｢なぁデク、なにが起きてんだ？｣

緑谷｢っ・・・｣

爆豪｢夢だよな？これ、Aと喧嘩したのも、Aがお前と帰ってたのも、Aに似てる人が目の前で倒れてるのも、なぁ、夢だろ？そーなんだろ？おいデク！｣

緑谷｢かっちゃん落ち着いて！｣

爆豪｢早く覚めろよ！なぁ！｣

緑谷｢かっちゃん！！あれはAちゃんだ！｣

爆豪｢っ・・・｣

緑谷｢それに・・・｣

あぁやめろ、くそ、言うなそれ以上言うな

緑谷｢全部現実だよ｣

遠くで救急車のサイレンの音がする。
汗ばむ体も、むせ返るような血の匂いも、つんざくサイレンも、すべてが俺に現実だと突きつけているようだった

目の前で真っ赤に染まる少女がAなのだと、

Aは俺を庇ってひかれたのだと、

受け入れたくない事実が次から次へと突き刺さった

そして俺は
意識を手放した。