【実況者】脆く儚く【キヨ】 (ページ14)

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▽12.仇▽ ページ14

他にも競技があったけど、まずまずの結果

あと、残こすはリレーのみ

清川もいつも以上に肩が強張ってる

いつもへらへらしてる藤井でさえ今は静か

あとひとつで優勝が決まる

午後の部は点数が秘密になっているので今どのクラスが1位かはわからない

でも、このリレーで1位になれれば優勝できるってことは誰も言わなくてもわかってる

もちろん清川や藤井たち本人も

｢頑張って！！！｣

今は大人しい藤井の背中にそう叫んだ

｢任せなって！俺がAちゃんの仇とってきてあげるからさ！｣

ぎこちない笑顔で藤井は叫び返してくれた

するとふと、頭に温かいものを感じた

見上げると清川の大きな手が私の頭に乗っていた

｢涙ふけよ｣

どうやら気付かないうちに私は泣いてしまっていたらしい

その大きい手は温かくて優しくて、涙が止まらなくなった

｢頑張ってね。私が、ダメだった分、絶対取り返してきてね、｣

清川の背中に私は叫んだ

黙って任せろ、というようにまっすぐにたった親指が見えた