【実況者】脆く儚く【キヨ】 (ページ11)

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▽9.責任▽ ページ11

気がつくと100mは終わっていて

クラスのみんなの前では一位になるって大口叩いたのに

見える数字は1じゃない

あぁ、ダメだったんだなって気がついて

頬に温かい液体が一筋

退場したら、クラスの人たちが走って来てくれた

｢Aちゃん、泣かないで。よく頑張ったよ。｣

｢お前が悪いわけじゃないし、誰をお前をせめない。｣

｢あの状態から4位ってすごいって、胸張れよ｣

なんてみんなから声かけてもらって

私ははじめて自分が泣いていることに気づいた

｢私…みんなに、1位取る、って、1位以外、ありえないって、絶対、1位になる、って、言った、のに…｣

嗚咽混じりの私の声

かっこわるいなぁ

みんなに顔向けできないのに

なんでこんな私を抱き寄せて、背中をさすってくれるのですか

私はこんなにもかっこ悪いのに

｢私…すごく、かっこ悪い…みんなに、顔向け、できないよ｣

涙でぐしゃぐしゃになった私の顔を拭きながら

｢かっこわるくなんてなかった。充分かっこよかったよ。最後まで諦めなかったAちゃんは強いよ。Aちゃんは強くてかっこよく見えたよ｣

そんなふうに言ってくれる優しい声

私はその優しさに、頼ってしまいたくなる

その優しい腕にずっと抱かれていたいそう思っているとふと、その腕が赤に染まっていることに気づく

｢Aっ！血！！｣

そういわれ、現実に戻る

私の腕や足からは血が出ていて、

アンリちゃんの服には恐らく私のものと見られる血

｢落ち着いた？保健室行っておいで｣

なんて血だらけなのに笑って言ってくれるアンリちゃん

私はその言葉に甘え、腕を引かれる方へついていく

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坂本アンリ(さかもとあんり)

・優しく可愛い
・2年3組の生徒