第29話 ページ31
乙女side
ヒールの高い靴で走っていると、人よりも頭ふたつくらい飛び出てる銀髪がやっと視界に入る。
走りながら、私は手に持った小さなバッグを振りかぶりその背中目掛け______。
「なんで！こんな！トコにいんのよ馬鹿ーッ！！」
ゴッ_____。
投げたバッグは私がぶつけたかった人の背中ではなく、隣を歩いていた茶髪にぶつかった。
別の人にバッグがぶつかろうが関係ない。だって、私は今めちゃくちゃ腹が立っているんだから。
こちらを振り返る彼の表情は前髪で隠れていて分からない。頭をさすりながら振り返る茶髪の男は状況がよくわかっていない様子。
バッグを拾う為近づき、地面に落ちたバッグを拾いあげ、彼に向かって思い切り睨む。前髪で表情が見えないのが悔しい。
「あの〜、月光さんの知り合い？」
「ああ」
ああ、ああだけですって！？
恋人だって、彼女だっていうことくらい言ったらどうなの！？なんなの、なんでこんなに言葉が足らないの！？
喧嘩でボロボロになった時も、骨折れても泣いたことないのに苛つき過ぎてムカつき過ぎて、初めて涙が出てきた。
思い切り下唇噛みながら鼻をすする姿なんて、なんて見っともないんだろう。
「え！？ちょぉ、月光さん！？」
慌てる茶髪と何も反応しない彼。
初めて目の前で泣いたのに何もないの？
あ、そうか。彼は私に興味がないんだ。 だってそうじゃない。私はAと違ってテニスで理解し合えない、趣味も好みも、デートで行きたい場所だって正反対だもん。
きっと、無理して私に付き合ってただけなんだ。
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毛利side
え、なんなん？この状況。
頭痛いわ、月光さん硬直しとるわ、目の前のごっつ艶っぽい美人は泣いとるわ。
俺どうしたらええの？明らかにこれ修羅場やん？まさか俺が浮気相手っちゅーやつになるん？
え、嘘やろ。
「さよなら」
え、嘘やろ！！！？？
月光さんの彼女(？)さんが、なんか不穏な言葉吐いてもうた、はよ月光さん誤解解いたって……
ってまだ硬直しとるん！？
「ちょ、ちょい待ちぃ！月光さんも固まってないでなんか言った方がええって！！」
他校やし、合宿前に中々練習の時間取れんくて、月光さん先約キャンセルして今日練習しとったけど……ま、まさか先約って______。
「月光さん月光さん！！
はよ誤解解いた方がええって！今日ホンマはこの嬢ちゃんとデートだったんちゃいますの！？」
俺、なんで仲裁役してんのやろ。
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バンビ(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます。更新がゆっくりになってしまっていますが、続編をポチポチと作成していますのでそちらも続けて読んでいただけるように頑張らせて頂きます。 (2020年9月4日 0時) (
レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
猫好き(プロフ) - とても面白いです！続きが楽しみなので、これからも更新頑張ってください！ (2020年9月3日 18時) (レス) id: 9581fd09d5 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - わんにゃんさん» ありがとうございます。中々更新できず申し訳ありません！！できるだけ早く更新できるよう頑張らせて頂きます。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
わんにゃん - とても面白くてこの作品大好きで応援しています！頑張ってください、楽しみにまってます!! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 6ebda506cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ | 作成日時：2020年1月2日 17時
