第28話 ページ30
主人公side
「今日は、スマッシュ行くか」
3日目。
2日目の午後でサーブもコツを掴んだ桜乃ちゃんは遂にスマッシュまで教えられるレベルになった。こんなに成長が早いとなると、どうしても浮かんでくる同じ竜崎の名字を持つババァの顔。
いや、あのババァとこの天使を比べてはいけない。
竜崎って名字もきっとただの偶然だろう。
「スマッシュのコツは_______ 」
・
・
・
・
・
・
乙女side
3連休最終日。
本当なら今日は月光くんとデートの約束だった。
Aの奴は愛しのさくのちゃん?とやらとテニスらしく朝早くから起きて出て行き充実な3連休だ事。
デートをドタキャンされた次の日、気に入らないあの子の靴箱にゴミを詰めて、机には有る事無い事油性マジックで書いた。トイレに呼び出して水ぶっかけて……、他にも色々やったけど完全にストレス発散とまではいかなかった。
いきなり休みになった、これからデート行こう。なんて電話があるかも!と、デートで着るはずだったモード系ファッションを身に纏い、いつもよりも薄い化粧をして、リビングでスマホと睨めっこ。
絶対ないだろうけど、やっぱデートしたいんだもん!
うんともすんとも言わないスマホをクッションに投げた。
「……馬鹿らし」
服を着替えて、化粧をし直す。
本当は好きなセクシー系の服を着て、いつもの濃い化粧にし直した。
下唇噛みながら投げた後も反応がなかったスマホを乱暴にバッグに入れ、ヒールの高い靴を履いて家を出る。
ひとりでショッピングにでも行こう。
好きな服買って、可愛い化粧品買って、ストレス発散してやる。
「あー……、大したもん買えなかったな」
最近できたであろうカフェで休憩しながら視線を移せば小さな紙袋ひとつ。最近無くなりそうだったいつもの香水のみ。
気分が沈んでいるからか服も化粧品も特に気にいるものは無かった。
窓際の席で人の流れを見ながら甘ったるいパンケーキをアイスコーヒーで流し込む。ストローで遊びながら、明日はどんなことして可愛がってあげようかなと考えていた。今度はジュースでもかけてあげようかな、なんて。少し楽しくなってきた私の視界に入って来たのは今日、練習と言っていた彼。
ジャージ姿でラケットバッグを背負い、同じジャージを着た男と並んで歩いていた。
伝票とバッグと紙袋を乱暴に持ち、レジで会計をしてヒール高い靴で走った。
私とのデートをドタキャンして野郎と個人練習とかふざけんな!!
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
バンビ(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます。更新がゆっくりになってしまっていますが、続編をポチポチと作成していますのでそちらも続けて読んでいただけるように頑張らせて頂きます。 (2020年9月4日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
猫好き(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみなので、これからも更新頑張ってください! (2020年9月3日 18時) (レス) id: 9581fd09d5 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - わんにゃんさん» ありがとうございます。中々更新できず申し訳ありません!!できるだけ早く更新できるよう頑張らせて頂きます。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
わんにゃん - とても面白くてこの作品大好きで応援しています!頑張ってください、楽しみにまってます!! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 6ebda506cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:バンビ | 作成日時:2020年1月2日 17時