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第27話 ページ29

主人公side



「いいか、ボレーのコツはラケットを振らない。後ろにラケットを引かず、ただ当てる事だけを考えりゃいい。

まずは、俺が投げるボールをラケットで当てる練習だ」




最初こそ、桜乃ちゃんはラケットを振ってしまっていた。それでも、繰り返すたびにその癖はなくなり、30分もすれば出来るようになる。



「次は俺もラケットでボレーを打つ。それをさっきと同じように打ち返す。後は、少しラケットの角度を変えて左右に振っていくぞ」













「午後は、サーブの練習でもするか」



桜乃ちゃんは凄い。思っていた以上に成長のスピードが早い。コツを掴むまでに時間は少しかかる方だが、コツを掴んでからの成長が早いのだ。

今日、ボレーをある程度にして明日サーブの練習でもと思っていたが今日中に出来てしまいそうな勢いに何故かこっちが興奮してきた。



「あ!あの!実は今日……」


どうやって教えようかと考えていた俺の前に出て来たのは大きめのお弁当袋。
え、これってまさか_________。



「お弁当、作ってきたんです」



ふにゃりと笑う桜乃ちゃんに、さっきまでの考えが吹っ飛ばされた。
大きめのお弁当袋にキラキラのエフェクトが見える。幻覚なんだろうが見えるものは見えるのだ。



「私に出来るお礼ってなんだろうって考えて!こんなちっぽけなものでしか返せないのが悲しいですけど……」

「いや、すげぇ嬉しい……!」


なんだろう。付き合ってると錯覚するこの感覚。
好みドストライクに入ってくる桜乃ちゃん、こんな子が彼女になってくれたらどんなに毎日が幸せだろうか。

お弁当袋の中身は2段弁当で桜乃ちゃんの小さい手で握ったであろう小さめのお握りが5個と唐揚げや卵焼きにポテトサラダ、彩りのプチトマト……。平凡なお弁当が本当にキラキラして見えた。
元カノはブログに載せていそうなお弁当で、それに惹かれたのもあったが、桜乃ちゃんが作ったお弁当は今思えばそれよりもずっと美味しそうだった。



「食っていい?」

「ウェットティッシュで手を拭いてから食べてくださいね。あ、あとお茶も用意してきたんです」



はぁぁ〜〜、嫁か???

付き合ってもいないし結婚してもないけど、まるで自分の嫁さんと錯覚させるなんて。なんて子なんだろう、桜乃ちゃんという女の子は。

まるでピクニックな状況に一瞬夢かと疑わざるを得なかった。

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設定タグ:テニプリ , 青学 , 竜崎桜乃   
作品ジャンル:アニメ
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バンビ(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます。更新がゆっくりになってしまっていますが、続編をポチポチと作成していますのでそちらも続けて読んでいただけるように頑張らせて頂きます。 (2020年9月4日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
猫好き(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみなので、これからも更新頑張ってください! (2020年9月3日 18時) (レス) id: 9581fd09d5 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - わんにゃんさん» ありがとうございます。中々更新できず申し訳ありません!!できるだけ早く更新できるよう頑張らせて頂きます。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
わんにゃん - とても面白くてこの作品大好きで応援しています!頑張ってください、楽しみにまってます!! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 6ebda506cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バンビ | 作成日時:2020年1月2日 17時

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