検索窓
今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:42,011 hit

第20話 ページ22

桜乃side




「俺のお古でもよけりゃ、使ってくれ」



白いラケットから東さんに視線を向ければ、そこには優しく笑う姿があった。

どうしてこの人はこんなにも優しいんだろう?
ドキドキといつもよりも速くうるさい心臓はラケットを貰えたから?

それとも______。




「私みたいな、ちゃんとテニスも出来ない子がこんな良いラケットを貰っても、また……」



思わず、俯き下唇を噛んでしまう。
壊された理由もよくわからないのに、このラケットまで壊れてしまったらきっと、私は立ち直れない。



「初心者ほど、良いラケットを使ってた方がいい。
テニスが好きならどんどん使えよ」



そう優しい声が降ってくるのと同時に、東さんの大きな手が私の頭を優しく撫でた。




















「着いたぜ」



ヘルメットを脱がされ、頭を撫でられる。

暗くならないうちにと、東さんにバイクで家の近くまで送ってもらった。
東さんはバイクに腰かけたまま、私を見つめ、何か言いかけて、髪をぐしゃぐしゃと掻く。



「あの東さ_______ 」

「今度、テニス_____ 」



私の声と、東さんの声が被る。
思わず目を見開く。それは東さんも一緒で思わずふたりで笑う。王子様のようにカッコいい東さんのあの顔は男の人に言うものではないけれど、可愛かった。

咳払いをした東さんは頰を掻きながら、はにかみながら言う。



「今度、テニスしに行こーぜ」

「も、もちろんです!
私、本当にへたっぴだから呆れちゃうかもしれないですけど、それでもよければ!」

「呆れねぇよ。下手くそなら出来るように教えてやるから」



ぐりぐりと、さっきよりも頭を強く撫でられ視界が下がったけど、見間違いでなければ東さんの耳が少し赤かった気がした。



「んじゃ、またな」



そう言ってバイクを走らせ、来た道を東さんは帰って行った。
すぐに小さくなって行く背中を見つめ、ドキドキといつもより早い鼓動に、少し火照った頬に、テニスをしている時やリョーマくんと話している時の様な感覚が私を占めはじめている。



「か、勘違いしちゃダメだ」



考えを吹き飛ばす様に首を大きく横に振り、私は振り返らず家まで走った。

第21話→←第19話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
48人がお気に入り
設定タグ:テニプリ , 青学 , 竜崎桜乃   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

バンビ(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます。更新がゆっくりになってしまっていますが、続編をポチポチと作成していますのでそちらも続けて読んでいただけるように頑張らせて頂きます。 (2020年9月4日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
猫好き(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみなので、これからも更新頑張ってください! (2020年9月3日 18時) (レス) id: 9581fd09d5 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - わんにゃんさん» ありがとうございます。中々更新できず申し訳ありません!!できるだけ早く更新できるよう頑張らせて頂きます。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
わんにゃん - とても面白くてこの作品大好きで応援しています!頑張ってください、楽しみにまってます!! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 6ebda506cf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:バンビ | 作成日時:2020年1月2日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。