第14話 ページ16
朋香side
目の前に現れたとびきりのイケメンに言葉が止まった。
テニスの試合で見慣れた顔の良い人達よりも年上だからというのもあるだろうけれど、ここまでのイケメンは初めて見た。
「話は桜乃ちゃんから聞いてるよ。俺の名前は東 A」
「お、小坂田 朋香____……です」
好みによっては、あの氷帝の跡部さんよりもイケメンと言わずにはいられない!!
思わぬイケメンの登場にさっきまでの威勢がどこかへ飛んで行ってしまった。
この顔じゃ許しちゃうレベルなのだ。
「遅れてすまねぇ。ここは俺が出すから好きなもん頼んでいいぜ」
うっ……!思わぬ笑顔に直視できなくなりそう。
桜乃を見るといつも通りで、出してもらうなんてそんな、なんていいながら焦っていた。
こんなイケメンを前にして普段通りでいられる桜乃はなんて恐ろしい子なんだろう。
リョーマ様を前にしている時の方が焦って見える桜乃に驚きながらも、最初の自己紹介から程なくして桜乃しか視界に入れていない東 Aという男を改めて見て、私は自分で会わせろと言ったことを少しばかり後悔した。
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喫茶店のパフェを食べながら思う。
喫茶店に東さんが滞在していた30分弱、その時間はある意味地獄の時間だったかもしれない、と。
東さんに急な用事が出来なければ、もっとあの時間が続いてたと思うとゾッとする。
東さんはずっと桜乃だけを笑顔で見ていて、私に話が振られた時は、反応はいいけれどスッと笑顔が無くなっていた。他にも話している時の言動とかでわかる。
あ、この人桜乃に好意があるんだなって。
どうやってこんなイケメンを、なんて思ってしまうけど、この人なら桜乃を何にからでも守れちゃうんだろうなって。そう感じた。どうやってとかはわからないけれど。
「桜乃が昨日お世話になった人があんなにイケメンだと思わなかったわ」
「うん。とってもいい人なの」
横でケーキを食べながら笑う桜乃は、多分あの人の特別な好意に気付いていない。
「そうね。優しい人ね」
「うん!」
でもそれはきっと桜乃にだけだと思う___。とまでは言えなかった。
言ってしまったらきっと、桜乃は悲しそうな顔をするだろうから。

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バンビ(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます。更新がゆっくりになってしまっていますが、続編をポチポチと作成していますのでそちらも続けて読んでいただけるように頑張らせて頂きます。 (2020年9月4日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
猫好き(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみなので、これからも更新頑張ってください! (2020年9月3日 18時) (レス) id: 9581fd09d5 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - わんにゃんさん» ありがとうございます。中々更新できず申し訳ありません!!できるだけ早く更新できるよう頑張らせて頂きます。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
わんにゃん - とても面白くてこの作品大好きで応援しています!頑張ってください、楽しみにまってます!! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 6ebda506cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2020年1月2日 17時