第10話 ページ12
主人公side
穴のあいた壁には違和感のないようにカレンダーを移動させた。
中々帰ってこない親父とお袋の事だからきっとバレないだろうと乙女と壁に穴をあけたのはお互い言わないようにするという約束をし、コーヒー片手に話題は俺の片想い案件に移る。
「はぁ!?
あんた年下好きでもいくらなんでも中1の子に片想いしてんの!?ロリコン!」
「ドストライクなんだよ。まさに理想体がそこにいたら落ちるだろ!?
お前も見たらきっとわかる、あの子の可愛さが」
若干引き気味な乙女は、少し考えるように唇を尖らせながらマグカップを口元に寄せた。
想像ができたのか乙女は眉間にしわを寄せた。
「うぅ…、否定できない。ダーリンを小さくしてみたけどそれでも好きになる自信しかない」
「だろ?
ロリコンを否定できる材料は俺には無ぇ。これは運命だと思うようにしてる」
自覚がないわけじゃない。
高校3年生と中学1年生の6歳違いはれっきとしたロリコンに当たる。大人になってからの6歳違いは大きな差。
今の状態がロリコンだとしても10年後には誰もロリコンとは言えないだろう。
そう、屁理屈を言ってなければ俺は俺で罪悪感でいっぱいになる。罪悪感なんて感情はとっくに無くなったと思ってたがそうでもなかったらしい。
「それで、守るって言ったってどうやって守ってあげるの?」
「そこなんだよな。
勢いで言っちまったから何にも考えてねぇ」
守るっつっても、本当にどう守ったらいいんだか。
喧嘩でどうにかなるわけでもない、校舎も違う、俺は男だから女のいざこざはわからない。まず、どうしていじめられてるのかもわからない時点でどうしようもないんだよな。
見た目だとしても、そんな嫌われるような見た目してないけど、一体なんなんだろうか。
「逃げ場くらいにしかなんねぇかな」
「そうね。
やれるとしたら、話聞いてあげるとか、休みの日に遊びに連れてくくらいじゃない?
高校だったら逆らえないくらいボコボコにしてあげれば自主退学に追い込むとか出来るけど、中学じゃそれもできないしね」
さらっと言いのけた乙女は赤い唇で弧を描き、こいつの悪い癖である気味の悪い笑い声を出して笑っていた。
「お前、まさか……」
「気に入らなかったから、やっちゃった」
ついこの間、なんかの教科担当が入院し辞表を出したとか噂が回ってた。原因はこいつだったのか。

38人がお気に入り

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
バンビ(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます。更新がゆっくりになってしまっていますが、続編をポチポチと作成していますのでそちらも続けて読んでいただけるように頑張らせて頂きます。 (2020年9月4日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
猫好き(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみなので、これからも更新頑張ってください! (2020年9月3日 18時) (レス) id: 9581fd09d5 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - わんにゃんさん» ありがとうございます。中々更新できず申し訳ありません!!できるだけ早く更新できるよう頑張らせて頂きます。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
わんにゃん - とても面白くてこの作品大好きで応援しています!頑張ってください、楽しみにまってます!! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 6ebda506cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:バンビ | 作成日時:2020年1月2日 17時