prologue ページ2
主人公side
三限、校庭からは体育の時間であろう男子生徒たちの勇ましい声が聞こえてくる。
教室の窓際一番後ろの席で机に足を乗せ窓の外をぽけーっと眺める。これが女子の体育だったらまだ目の癒しになるんだが、と考えながら。
この教室では数学の時間でシャーペンがノートに擦れる音と、黒板にチョークで書いている音がするだけ。
静かな教室をぐるりと見渡せば誰もが緊張していることがわかる。教師ですら緊張で顔が引きつっている。緊張の原因は分かっている。俺だ。
最近、どこかのクラスの清楚系女子と別れた。
最初は黒髪で薄いメイクで手料理の美味しそうな弁当を持った女。同級生だったが久しぶりにみた清楚系女子に告白され付き合ったがハズレだった。
最初はよかったが、慣れてきた頃から俺の隣に立つためにと髪は明るくなり、化粧は段々濃くなった。スカート丈はどんどん短くなり俺の好みの清楚系は消え失せた。
元々こんなんだったのかもしれない、養殖系に騙され最近こっぴどく振ったばかりだ。
別れてさぼるのもつまらなくなったので久し振りに授業に出るとそれはそれでつまらなかった。
新品同様の教科書をパラパラと見るが真面目に授業に出た試しがなかったので内容がさっぱりだった。
まだ授業が始まって15分。
あと35分なんて耐えられるはずもなく、教科書もそのまますっからかんのぺしゃんこな鞄を持って教室を出た。
喧嘩も最近じゃ吹っかけられない、女もドンピシャがいない、教室じゃセンサーが感知するから煙草も吸えない。
廊下でも火がつけられないから煙草を咥え、今日バイクを停めた駐輪場までダラダラと歩いた。
「なんかおもしれぇこと、ねぇかな……」
独り言をぽつりとこぼしながら、静かな校内を歩いた。
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バンビ(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます。更新がゆっくりになってしまっていますが、続編をポチポチと作成していますのでそちらも続けて読んでいただけるように頑張らせて頂きます。 (2020年9月4日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
猫好き(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみなので、これからも更新頑張ってください! (2020年9月3日 18時) (レス) id: 9581fd09d5 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - わんにゃんさん» ありがとうございます。中々更新できず申し訳ありません!!できるだけ早く更新できるよう頑張らせて頂きます。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
わんにゃん - とても面白くてこの作品大好きで応援しています!頑張ってください、楽しみにまってます!! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 6ebda506cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2020年1月2日 17時