第5話 ページ7
桜乃side
始まりは突然だったんです。
自分が何か悪いことをしてしまった記憶とかは特に思い当たりません。
誰かが教えてくれることも、友達が一緒に考えてくれても答えには辿り着きません。
私、運動が苦手です。運動音痴に入る部類の人間なんですけど、ある男の子に憧れてテニス部に入りました。
先輩方は、初心者で運動音痴の私にも優しくしてくださいました。私だけの特別メニューを作ってくれるくらい優しい方々だったんです。
「竜崎さんは、今日も壁打ちね。そうね、20回できるようになったら教えてね」
私の部活は殆ど壁打ちでした。ラリーもまともにできない私に最適な練習だと、私もはやく先輩たちの練習に入れるようにとにかく頑張りました。
壁打ちの際に、男子テニス部の方々が休憩中に時折ですがアドバイスをくれました。
その中でアドバイスをくれる回数がダントツで多かったのは憧れの男の子でした。ぶっきらぼうにくれるアドバイスを意識してボールを打つと、今までのが噓みたいにできなかった壁打ちができたんです。
他の方々もラケットの向きや腕の角度、目につく所を今ここがダメだったよ、と優しく教えてくれたんです。
「壁打ち20回できるようになったの?
じゃあ、次は50回できるようになったら戻って来てね。みんな竜崎さんよりもレベルの高い練習してるから」
困ったように笑う先輩はそうやって私に課題を課していきました。
そこに不満はありません、だって私は初心者ですしその前に運動音痴です。みんなよりもレベルが低いことはわかってましたから。
いつからか、壁打ちをしていてもアドバイスをしてくれるのは憧れの男の子だけになってしまいました。
そこにも不満はありません。むしろアドバイスをもらえていたことが奇跡ぐらいなレベルです。
友達は憧れの男の子のファンで、男子テニス部の試合には2人でよく応援に行っていました。
私もあんな風にテニスがしたい!と思いながら、応援していました。
男子テニス部は女の子の人気がある部活なので、他の女の子たちも応援に来ている中、優しいテニス部の方々は応援にも答えてくれるんです。ファンがどんどん増えるわけです。
そんな優しい方々から、突然、私は冷たい視線を向けられてしまいました。
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バンビ(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます。更新がゆっくりになってしまっていますが、続編をポチポチと作成していますのでそちらも続けて読んでいただけるように頑張らせて頂きます。 (2020年9月4日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
猫好き(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみなので、これからも更新頑張ってください! (2020年9月3日 18時) (レス) id: 9581fd09d5 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - わんにゃんさん» ありがとうございます。中々更新できず申し訳ありません!!できるだけ早く更新できるよう頑張らせて頂きます。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
わんにゃん - とても面白くてこの作品大好きで応援しています!頑張ってください、楽しみにまってます!! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 6ebda506cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2020年1月2日 17時